圧力 2013-07-07 12:12:42 | のりひと詩集 「圧力」 ふたりは固く抱きあう 大きな風に飛ばされぬように 激しい雨にたたれないように 世の中から阻害されないように しかし 二人がこんなにも 圧迫を受けていようとは 当人同士しかわからない 外圧を跳ね返して進む 二人の険しい人生 但し、内圧には くれぐれもご用心
嘘 2013-07-07 11:57:37 | 今日子詩集 「嘘」 子供が嘘をつく 自分の世界の始まり 親は知っていながら 子供の成長と苦笑い 男と女が嘘をつく お互いの背中を見つめつつ これが「優しさの代償」と 諦め顔 母が嘘をつく 家族と牙城を守るため 強くて 哀しい嘘・・・ 永遠の秘密として あなたが偽りの言葉を並べるので 私は防御の壁をめぐらす 嘘で固めた感情は 昇華することも否定されて 水銀のように重く澱んで ひたすら 体の中を 循環し続ける 真実を見失う・・・という 動脈硬化を伴って
お墓参り 2013-07-07 11:46:31 | 自遊人マサル詩集 「お墓参り」 春の彼岸 夏のお盆 秋の彼岸 祖先や 先だった父や母 浮世の ならわし墓参り 集まる実家 兄弟 姉妹 そして甥と姪 お墓には 幼き頃の 懐かしい面々 虫取り 木登り 魚とり 思いを胸に 続けよう 墓参り
青空 2013-07-07 11:38:51 | 佐藤もも詩集 「青空」 窓から ビルの底を覗く昼下がり 交差点を渡っている人が見える みんな前を向いて渡っている おしゃべりして渡っているアベックも 周りに気を取られることもなく 自分たちの世界に浸っている どこからでも見られるこの青空を 誰もじっくり見ようとしないのは不思議だ 私は今日も彼の目を覗くように 自分の心の中を見つめるように 窓から青空を見る