「さがさないで」
立春も近い 冬の日
刺すように冷たい風は 容赦がない
ほんの少しの陽だまりでは
何れ来る春の気配を したためている
温もりも 優しさをも拒否し続ける
あの 風を
追い駆けてゆきたい
日本を いや 世界を渡り抜けて
時間と季節と空間を
其々に 土足で踏込み
生物の情感などと言う
甘ったれた想像物を 破壊してしまう
それでも
そよ風ではなく・・・・
追い風ではなく・・・・
孤独と背中合わせの風を
追い駆けてゆきたい
瞬時に変化する私
初めから形態も居場所もない
留まることも 安定することもない
掌握することは不可能
だから
さがさないで欲しい
いつかまた 巡り会う時まで
自分自身を 見失っている私を