久々にネガりますた…orz
創元推理文庫「名探偵に薔薇を」読み読み。
この本は自分が数年間探してたもので、この前ようやく書店にて発見したときは小躍りしたくなった。
(注:ネット購入は買った気がしないのであまり好きではなく、よって利用しないレトロな人です)
というのも、著者は城平京氏。
そう、自分の好きな作品「スパイラル~推理の絆~」の原作者である彼が書いたミステリデビュー作なのです!
ノベライズのスパイラルを読んでからというもの、これを読みたくて仕方なかったわけだけど、ようやく念願が果たせた。
見れば初版は1998年の7月24日。自分の買ったやつが4版だったけど2004年の5月4日である。
古本屋も巡って思い出したときに探してはいたんだけど、なーんか見つからなかったのよね(´・ω・`)
内容は2部構成で、いずれも「小人地獄」という架空の毒薬を軸にした話になっている。
個人的には、全体的な話の流れとしては1部の「メルヘン小人地獄」、話の内容としては2部の「毒杯パズル」が好きというところ。
話の軸となる「小人地獄」という毒薬だが、これがまた凄い。
曰く、致死量は0.1~0.12g、冷水・温水によく溶け、ほぼ無味無臭。
効果は、飲んでから約1時間後に顕れ、死因はどう見ても心不全にしか見えない。
また、40℃~-10℃ぐらいの温度変化では普通に保存していても変質せず、酸化も起こらない。
ただ、致死量の20倍以上を服用すると強烈な苦味があり、高濃度だと舌を焼く程で、飲み込むことすら出来ない。このとき即座に吐かれれば体に異常はなし。
致死量の10倍を境に薬効の発現は幾何級数的に早まり、解剖によっても胃に残る異物を検出することができる。(通常の致死量では検出不能)
…というもの。
簡単に言えば、この毒薬で毒殺すれば完全犯罪ができるというアリエナイ代物である。
さらに製法もアリエナイ。
詳しくは謎とされているが、材料は壺の中で腐らせた赤子の脳髄だという。
ここら辺のグロさはMissingや断章のグリムで慣らされてる(?)せいか「うわぁ…」ぐらいで済んだけれど、かなりえぐい光景ではある。
さて、第1部の全体的な話の流れが好きだと言ったのは、自分の“名探偵”像にあるかも。
自分が思う名探偵というのは「安楽椅子の探偵」みたいなもので、およそ話を聞く、場合によってはちょっと捜査資料なんかを読むだけでその場から動かずして謎を解くというもの。
だから個人的にはノベライズ版スパイラルに出てくる鳴海清隆なんかは名探偵だと思うのです。
(や、警部という立場上かちょくちょく現場に行ったりと動いたりはしているけど、彼は話聞いて資料をぱらぱら読んだ時点で謎が解けてるだろうから)
あとは富士見ミステリーの“しずるさん”シリーズのしずるさんとかね。
この本の名探偵役・瀬川みゆきも1部ではこの「安楽椅子の探偵」に近い動きをしてくれてると思う。
「事件発生→犯人は予想はついてるけどアリバイが崩せない→呼ばれて颯爽と名探偵登場→あっさりアリバイ崩して終了」
瀬川の孤高で人を近づけさせないようなドライな雰囲気で上の話の流れに入ってくるとこれがカッコイイんですよ。
まさに自分の思ってる「名探偵かくあるべし」にはまってよかったっす。
2部の「毒杯パズル」は瀬川が中心となって話が進む。(1部では瀬川の友人の三橋の視点がメインで進む)
こっちは内容で圧倒された。
特に最後の2転、3転した真実の後の救われないバッドエンドが堪えましたや。
冒頭のネガったというのはこのせいで((((_ _|||))))ドヨーン となってしまっての一文。
久々にミステリで最後に「ぅぁ……orz」となった。
城平氏には是非、この救われない、痛々しい名探偵・瀬川みゆきを復活させて欲しいとも思ったけど、小人地獄が絡んだからこその面白さだったのかなぁと考えるとなんとも言えなくなってるけど。
ただスパイラルもアライヴまで完結したし、せっかくだから小説の方でも何か新作書いて欲しいな、と思いつつ。
創元推理文庫「名探偵に薔薇を」読み読み。
この本は自分が数年間探してたもので、この前ようやく書店にて発見したときは小躍りしたくなった。
(注:ネット購入は買った気がしないのであまり好きではなく、よって利用しないレトロな人です)
というのも、著者は城平京氏。
そう、自分の好きな作品「スパイラル~推理の絆~」の原作者である彼が書いたミステリデビュー作なのです!
ノベライズのスパイラルを読んでからというもの、これを読みたくて仕方なかったわけだけど、ようやく念願が果たせた。
見れば初版は1998年の7月24日。自分の買ったやつが4版だったけど2004年の5月4日である。
古本屋も巡って思い出したときに探してはいたんだけど、なーんか見つからなかったのよね(´・ω・`)
内容は2部構成で、いずれも「小人地獄」という架空の毒薬を軸にした話になっている。
個人的には、全体的な話の流れとしては1部の「メルヘン小人地獄」、話の内容としては2部の「毒杯パズル」が好きというところ。
話の軸となる「小人地獄」という毒薬だが、これがまた凄い。
曰く、致死量は0.1~0.12g、冷水・温水によく溶け、ほぼ無味無臭。
効果は、飲んでから約1時間後に顕れ、死因はどう見ても心不全にしか見えない。
また、40℃~-10℃ぐらいの温度変化では普通に保存していても変質せず、酸化も起こらない。
ただ、致死量の20倍以上を服用すると強烈な苦味があり、高濃度だと舌を焼く程で、飲み込むことすら出来ない。このとき即座に吐かれれば体に異常はなし。
致死量の10倍を境に薬効の発現は幾何級数的に早まり、解剖によっても胃に残る異物を検出することができる。(通常の致死量では検出不能)
…というもの。
簡単に言えば、この毒薬で毒殺すれば完全犯罪ができるというアリエナイ代物である。
さらに製法もアリエナイ。
詳しくは謎とされているが、材料は壺の中で腐らせた赤子の脳髄だという。
ここら辺のグロさはMissingや断章のグリムで慣らされてる(?)せいか「うわぁ…」ぐらいで済んだけれど、かなりえぐい光景ではある。
さて、第1部の全体的な話の流れが好きだと言ったのは、自分の“名探偵”像にあるかも。
自分が思う名探偵というのは「安楽椅子の探偵」みたいなもので、およそ話を聞く、場合によってはちょっと捜査資料なんかを読むだけでその場から動かずして謎を解くというもの。
だから個人的にはノベライズ版スパイラルに出てくる鳴海清隆なんかは名探偵だと思うのです。
(や、警部という立場上かちょくちょく現場に行ったりと動いたりはしているけど、彼は話聞いて資料をぱらぱら読んだ時点で謎が解けてるだろうから)
あとは富士見ミステリーの“しずるさん”シリーズのしずるさんとかね。
この本の名探偵役・瀬川みゆきも1部ではこの「安楽椅子の探偵」に近い動きをしてくれてると思う。
「事件発生→犯人は予想はついてるけどアリバイが崩せない→呼ばれて颯爽と名探偵登場→あっさりアリバイ崩して終了」
瀬川の孤高で人を近づけさせないようなドライな雰囲気で上の話の流れに入ってくるとこれがカッコイイんですよ。
まさに自分の思ってる「名探偵かくあるべし」にはまってよかったっす。
2部の「毒杯パズル」は瀬川が中心となって話が進む。(1部では瀬川の友人の三橋の視点がメインで進む)
こっちは内容で圧倒された。
特に最後の2転、3転した真実の後の救われないバッドエンドが堪えましたや。
冒頭のネガったというのはこのせいで((((_ _|||))))ドヨーン となってしまっての一文。
久々にミステリで最後に「ぅぁ……orz」となった。
城平氏には是非、この救われない、痛々しい名探偵・瀬川みゆきを復活させて欲しいとも思ったけど、小人地獄が絡んだからこその面白さだったのかなぁと考えるとなんとも言えなくなってるけど。
ただスパイラルもアライヴまで完結したし、せっかくだから小説の方でも何か新作書いて欲しいな、と思いつつ。
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