青葉城恋唄

仙台生まれ、仙台育ちの40代女性。
日々の生活で考えたことを記す雑記帳。

思い出の本「小麦畑の三等星」

2019年09月23日 | ほん
きっかけは忘れてしまったけど、
自宅にあった「小麦畑の三等星」を読み返しました。

改めて読むと切ない話だな~。
子どもの頃はファンタジーとかSFだと思っていた。

主人公の碧穂(あお)は幼い中学生。
最初は家庭教師の森之介が好きな感じだったけど、
おそらく彼女の能力を知った森之介が
自分の大学で研究対象にするようになってから、
少しずつその思いがしぼんでいってしまった。

自分の力が少しずつ衆目を集めるにつれて
孤独を深めていった碧穂は、
同じような聴能力者のクライヴ・ラッセルと知り合い、
自分の悩みを打ち明けていく。

でも彼との関係は同病相哀れむというか、
さらに孤独を深めていくしかなかった。

碧穂を救ってくれたのは森之介の弟でもある同級生の康太朗。

碧穂が康太朗を頼りにすることで、
彼の成長が早まってしまう、というエピソード。
碧穂自身はショックを受けていたけど、
康太朗の「嬉しい」という気持ちの方が共感できる。
何より、言葉に出さなくても「好き」という気持ちが伝わるではないか。

これで康太朗が碧穂のことをなんとも思ってなかったら
まあちょっと怖いんだけど、
そもそも康太朗が碧穂を憎からず思っているから
碧穂を守りたいと思ったからこそ、碧穂も頼りにしたんだろう。

タイトルにもある小麦畑。
碧穂の能力を考えると、小麦の出来もいつも良かったのでは?

あの事故(事件?)の後、
康太朗だけが以前のままで時が戻り、記憶も残っている。
碧穂の悲しみを知っているのは康太朗だけ。
彼の記憶は碧穂が康太朗を守った末の結果なのか?

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