あなたの望みは何?
『望みは何と訊かれたら』
著:小池真理子(『欲望』・『瑠璃の海』)
発行:新潮社

以前行ったイベントで紹介されていた本。
文庫になってようやく読めました。
久し振りに読むのが止まらなくなった本でした。
この話がどんな結末に向かって走っているのか、
気になってなかなか本を閉じることができなかった。
『恋』や『無伴奏』で全共闘時代(って言うのかな?)を舞台に
恋や人生を描いてきた小池真理子氏。
そのどちらも主人公は作者と同じく、高校時代を仙台で過ごした設定。
本書もそれは同じ。
けれども主人公である沙織の仙台時代の描写は
彼女が活動にのめりこむほんの些細なきっかけの場でしかない。
仙台であの集会に行かなければ。
大学で彼女に出会わなければ。
彼女の誘いであの場に行かなければ。
彼に出会わなければ。
そんな不思議な縁に導かれて沙織は過酷な体験をする。
沙織がのめりこんでいく革命インター戦線は
あの有名な連合赤軍を彷彿とさせる。
山の中での戦闘訓練。
その統率をする男女のリーダー。
女性リーダーの嫉妬からなるのか?
「総括」という名のリンチ殺人。
沙織はそこから命からがら逃げ出す。
頼る人を失い、疲れ果てて公園に倒れていた彼女を
ある男性が自宅へ連れて帰る。
そこで繰り広げられる奇妙な生活。
この話のメインは
この秋津吾郎との半年に渡る生活だと思うんだけど、
沙織がP村のアジトを逃げ出すまでの話で半分くらいまでかかってる。
でもそこをきちんと描いておかないと、
その後、沙織が吾郎との関係を受け入れる心情が理解できないかも。
とはいえ、この時代を描いた他の小池作品と同様に、
70年代の時代背景を理解していないと、作品の理解も難しい。
本当に根本のことを言えば、
沙織たちがいったい何のために闘おうとしていたのか。
学生たちは何に抗議していたのか。
同じ仙台の女子高に通っていたとはいえ、
平穏な高校生活を送っていた私にはやっぱりわからん。
これまでの作品と大きく違ったのはラスト。
30年振りに再会した秋津吾郎との関係が描かれる。
これまで読んだ小池作品だったら
ここからがメインで描かれるところだと思うんだけど。
続きができそうな感じ。
『望みは何と訊かれたら』
著:小池真理子(『欲望』・『瑠璃の海』)
発行:新潮社

以前行ったイベントで紹介されていた本。
文庫になってようやく読めました。
久し振りに読むのが止まらなくなった本でした。
この話がどんな結末に向かって走っているのか、
気になってなかなか本を閉じることができなかった。
『恋』や『無伴奏』で全共闘時代(って言うのかな?)を舞台に
恋や人生を描いてきた小池真理子氏。
そのどちらも主人公は作者と同じく、高校時代を仙台で過ごした設定。
本書もそれは同じ。
けれども主人公である沙織の仙台時代の描写は
彼女が活動にのめりこむほんの些細なきっかけの場でしかない。
仙台であの集会に行かなければ。
大学で彼女に出会わなければ。
彼女の誘いであの場に行かなければ。
彼に出会わなければ。
そんな不思議な縁に導かれて沙織は過酷な体験をする。
沙織がのめりこんでいく革命インター戦線は
あの有名な連合赤軍を彷彿とさせる。
山の中での戦闘訓練。
その統率をする男女のリーダー。
女性リーダーの嫉妬からなるのか?
「総括」という名のリンチ殺人。
沙織はそこから命からがら逃げ出す。
頼る人を失い、疲れ果てて公園に倒れていた彼女を
ある男性が自宅へ連れて帰る。
そこで繰り広げられる奇妙な生活。
この話のメインは
この秋津吾郎との半年に渡る生活だと思うんだけど、
沙織がP村のアジトを逃げ出すまでの話で半分くらいまでかかってる。
でもそこをきちんと描いておかないと、
その後、沙織が吾郎との関係を受け入れる心情が理解できないかも。
とはいえ、この時代を描いた他の小池作品と同様に、
70年代の時代背景を理解していないと、作品の理解も難しい。
本当に根本のことを言えば、
沙織たちがいったい何のために闘おうとしていたのか。
学生たちは何に抗議していたのか。
同じ仙台の女子高に通っていたとはいえ、
平穏な高校生活を送っていた私にはやっぱりわからん。
これまでの作品と大きく違ったのはラスト。
30年振りに再会した秋津吾郎との関係が描かれる。
これまで読んだ小池作品だったら
ここからがメインで描かれるところだと思うんだけど。
続きができそうな感じ。
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