Lost And Found

人生失くしたもの・・みつけたもの・・

過失を転嫁する客

2020-05-17 10:24:57 | 僕がヤマトでウツになったワケ

配達運転中のある日、僕の業務端末にメールが入りました。

 

「苦情・クレーム:

xxコースのドライバーが

チャイムも鳴らさずに

不在票だけを入れていったと

ひどくお怒り。折電希望。

現在ご在宅。」

 

読んでみると僕のことのようです。

こんな時、ドキッとして変な汗がでます。

しかし、たくさんの荷物を配達しているので

記憶にありません・・。

一つでも荷物を減らして早く帰りたい僕としては、

客の不在を確かめずに不在票を入れていくなんてありえません。

 

恐る恐る折電し、客の言い分を聞きます。

客はクレームで流れてきた主張を繰り返します。

住所と名前から軒先の姿をまだ連想できない新人の僕は、

とりあえずそのお宅に再配達に行くことにしました。

 

到着してみると、記憶が鮮明に戻ってきました。

たしかチャイムを鳴らし、

反応が無いので引き戸に手をかけ、

閉まっていたので不在票を切った記憶があります。

(ヤマトのルール的には後者の確認方法はアウト。非常にストレスです。)

 

こういった場合、

不在のお宅には一軒一軒電話をすればいいのかもしれませんが、

荷台に残荷もたくさんあり、

不在の家々もたくさんある中、

そのような家々にすべて電話をかけていては

配達が時間内に終わらないとの思いから

僕は特別なことがない限り、

不在と思われる家には電話を差し上げることはしていませんでした。

 

僕はそのお宅の軒先で再度チャイムを鳴らし、

やはり反応が無いので恐る恐る引き戸に手をかけました。

今度は開いていました。

 

「ごめんくださいー」

 

奥から激怒した様子の気の強そうな老婆が意気揚々とやってきて、

 

「私はチャイムが聞こえる位置にいたの。

チャイムを鳴らせば聞こえないはずはない。

鳴らなかったのは

あなたがチャイムを鳴らさなかったから。」

 

という主張を繰り返します。

 

「いや、今も鳴らしたんですけど出ていらっしゃらないから声掛けしたんですが・・」

 

「そんなはずはない」

 

「じゃあ今押してみますね。(ボタンを押下)」

 

チャイムが鳴りません。

 

(ほら、みたことか・・)

 

僕の心の声がささやきます。

 

 

「あれ・・?

 

いいから届いた荷物をちょうだい!」

 

 

老婆は自らの過ちに謝ろうともせず、

私を悪者にしたまま

不遜な態度でドアを閉めました。

ありがとうのことばさえありません。

 

ヤマトのサービスセンターは

このようなクレームが入った場合、

客の言い分を鵜呑みにし、

ドライバーに過失があるとの前提で客に応対しています。

またヤマトは重大な過失以外は事実関係を後に確認することもありませんので、

一件落着したとしても当然サービスセンターに寄せられたクレームは履歴として残ります。

 

後に僕は会社を辞めることとなるのですが、

その時にこの事実を思い知らされることとなります。

それはまたいつかのエントリーで。

 

とにかくドライバーをしていると、

このような不本意なクレームが普通に起こります。

そんな場合も、会社も上司も盾となって守ってくれることはありませんでした。

 

客の主張はいつもただしい

 

そうでも言いたげな会社の態度に毎回ストレスがたまる一方でした。

 

 

 

 

 



コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。