森鴎外の短編小説「舞姫」を読んだ。
意外なことに、私はこの本を知っていながらにして
「食べずキライ」からか(苦笑) 何度も手にはしたが
読了まで達したことがなかったのである。
何故、読まなかったのか?
これは私の勝手な思い込みに原因があった。
豊太郎が愛した「エリス」に対しての誤解であった。
「舞姫」= 夜を鬻ぐ女性
と脳内変換をしてしまっていたのだった(x_x;)シュン
今回、何故では読了に至ったのか?
…。実は高3生の娘の現国の試験範囲となっているからである。
今、彼女は期末考査の真っ只中にいる。
そして明日の試験科目が「現国」と「仏教」。
短編なので、では、ちょっと読んでしまっておいた
方が、面白そうであったので30分ほどで(笑
読了し終わった。
読んでみて、いまさらながら
森鴎外の天性の才能に脱帽させられた。
格調高き文語体にての小説はそれだけで
豊かな読書体験を読者に提供してくれるようだ。
若きエリート街道まっしぐらの25歳の青年が
官費で独逸・伯林大学へ留学しそこで体験する
自我の目覚め、今ある己への疑問、そして葛藤。
挫折と諦念・裏切り・自己嫌悪感
エリスとの出会いが総ての根源。
劇的過ぎる出逢いに少しだけ作為を感じるけれど
哀しい環境でしか生きられない少女の描写は
美しく繊細でまるで、細密画を鑑賞しているような
錯覚さえ覚えた。
哀しいことにエリスは最後には精神を病んでしまう。
あまりにも残酷で哀しいエリスの表情。
(先ほどまで、ここのリビングでさんざん、 主人公・豊太郎の不甲斐なさや情けなさについて語りあっていた)
まだ17歳の娘ながら「舞姫」を把握し主人公たちの
人生について言及し、では、自分がエリスの立場だったら
どうする?と尋ねたら、「その場になってみないと分からないけれど、私だったら…」と、
私からの少々意地悪な質問にも答えてくれた。
…先ほどからまた雨が落ちてきている。
涼しい夜だ、森鴎外の金字塔がこの時間帯に
とてもマッチして、豊かな時間を提供してくれた。
。。。感謝。
From★Eruzeッ Mint.mamu…★
私も、お嬢様と同じ、高校の現国で「舞姫」は出会いました。
なんて、残酷な豊太郎と、その時はそれだけを強烈に思いましたが、あれから?十年たった今、読み返してみたら、また違った感慨を持つかも知れませんね。
私も「舞姫」読んでみようと思います。
札幌は涼しい通り越して、冷たい雨降りです。(^_^)/~~
案外、思い込みで「食わず嫌い」があります。
そのせいでかなり若い時、世界を開拓する機会を
もしかしたら得損なっていたかも…と想うと
ゾッとしてしまいますね。
ちなみに、私が高校生の頃「舞姫」は教科書に
掲載されてませんでした…時代の違いを感じずには
いられません。
そして娘は昨日帰宅後、「どうだった?」と尋ねたら
「ばっちり!」とご満悦な表情でした。100点行くかも…とのこと。何よりです(爆笑