美と知

 美術・教育・成長するということを考える
( by HIGASHIURA Tetsuya )

「ブログ事始」

2006年06月22日 | ノート
(本校発行の読書のすすめ『図書春秋』2006年度の原稿です。)


 N先生から、ブログをやっているお話を聞きました。
私自身、ブログとはどんなものなのか、ほとんど認識がありませんでしたので、インターネット上に日記でも公開していくものだろう・・・程度の理解でした。
 その後、N先生にブログのことをもう少し詳しく教えていただき、少し興味がわいてきたのでした。

 その後、いくつかのブログを実際に見てみて、まず、いろいろな思いを持ってブログをしている人がいるんだと感じました。有名タレントブログ、社長ブログ、サークルブログ、そして無数にある個人ブログ・・・しかし、ほとんどのブログは一ヶ月以上更新されていない休眠状態のもので、やはり続けて書くというのは難しいのかな、という印象もうけました。でも、中には、その道のプロとして活躍されている方の、リアルタイムな情報発信型のブログもたくさんあることを知りました。
 ブログに何かの可能性を直感的に感じました。
ホームページほど構えが無く、毎日気軽に書き込める。画像も掲載できる・・・など。そして、すべて無料でできるというのも魅力的でした。


 さて、いざブログを始めようとしたとき、「何のためにブログを書くのか」という問いかけが自分の中に必要となることに気づきました。ここがしっかりしていないとブログが続かないと思います。
 私の場合は、クラスの生徒に自分の考えをもっと伝えたい、という思いでスタートしましたが、生徒以上に、生徒の保護者の方々がたくさん閲覧してくださっているのにびっくりしました。
「子どもよりも、私が先生の文章を読ませていただいて、いろいろと考えるようになりました。」
と言ってくださる保護者もおられ、うれしく思いました。


 ブログに文書を公開するということは、人の目を意識するということであり、単に個人的にノートにメモする以上に、自分自身の気持ちや、考え方の整理になるということに気づきました。
「自分のためになる!」と気づいてから、さらに、それが「他の人の参考になるような・・・」と欲も出てきました。
読んでもらいたい対象も、クラスからその他の生徒にひろがり、また、卒業生や高等部の先生方、さらには、美術関係の仲間や、不特定の多くの人にも読んでもらいたいと思うようになりました。
そんな気持ちの変遷とともに、内容分類のカテゴリーも増えていきました。


 ブログに掲載されるのは、基本は日付順ですが、カテゴリーをきちんと分類すると、カテゴリーごとの系列文章をまとめて閲覧することができますので、簡易ホームページとしての役割も果たします。
現在、私のブログでは以下のようなカテゴリーで書いています。
「ノート」……日々の活動の中で気になったこと。
「作品」……私の絵画作品(抽象絵画)を中心に、考えや、イメージの展開を考察する。
「フランス旅のスケッチ帖」……旅の絵葉書。
「教育美術」……教育、美術教育に関しての考察。
「学校・教師考」……学校や、教師のあり方に関しての考察。
「私の本棚」……お気に入りの本やCDの紹介。
「クラス通信」……3年生担任としてのクラス通信。
「略歴」……私の経歴。
「高等部所蔵美術作品紹介」……高等部所蔵の美術作品の紹介。
今、書きたいこと、伝えたいことは、このカテゴリーのどこかに収まっています。
 

 30年前、私が中学部・高等部の生徒のとき、推薦図書であった『知的生産の技術』より次の文章を紹介します。

 わたしが「手帳」に書いたのは「発見」である。まいにちの経験のなかで、なにかの意味で、これはおもしろいとおもった現象を記述するのである。あるいは、自分の着想を記録するのである。それも、心おぼえのために、みじかい単語やフレーズをかいておくというのではなく、ちゃんとした文章でかくのである。ある意味では、それはそのままでちいさな論文-ないしは論文の草稿-となりうるような性質のものであった。すくなくともそういう体裁をととのえている。そのような豆論文を、まいにち、いろいろな現象をとらえて、つぎつぎとかいてゆくのである。たまってみると、それは、わたしの日常生活における知的活動の記録というようなものになっていった。 
(『知的生産の技術』(梅棹忠夫著1969年岩波新書)

「手帳」のところを「ブログ」と書き換えると、「これって、ブログ活用の極意のこと?」と思います。


 自分自身でテーマ設定を持ち、それに対して取り組んでいったり、考えたり、気づいたことを中心に、自分のために書いていこうというのが、今の基本的スタンスです。どこまで書き続けることができるのか、行き着くところがどこなのかは全くわかりませんが、リアルに今の自分の思考を記録していく場所として、そして、情報発信の場所として、ブログを活用し、その可能性を探していきたいと考えています。
 

もしよろしければ覗いてみてください。 
「美と知」 http://blog.goo.ne.jp/est17 
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