ユーラシアウァッチ:ロシアから見る世界情勢

ロシアは一帯一路の地政学的要所。米中対立や中東対立のキープレイヤー。マスコミのロシア情報は貧しい。その致命的穴を埋める。

ロシア農業省は食料品不足による価格高騰を否定

2020-04-23 15:11:57 | コロナ時代のロシア
 ロシア農業省は公式サイトを通じて、ロシア国内でいかなる品目の食料品の不足もありえないと強調した。4月22日付同省の発表を引用して同日付のイズベスチヤ紙が伝えた。
 4月以降ロシア各地で食料品小売価格の高騰が記録され、品目によっては2割~6割の価格高騰が見られた。農業省の専門家はこの価格高騰を一時的な需要増によるものとして、食料品供給の不足による慢性的な価格高騰の可能性を否定している。 「ロシア国内の食料品供給量は十分に確保されており、需要増にも対応できる」と農業省のリリースは強調する。
ロシア連邦統計局のデータによれば、2020年1~3月期に食料品の生産量は前年同期比109.9%増加した。特に主要食料品であるジャガ芋及びその加工(品(同127.5%増)、ヒマワリ油(同120.5%増)、バター(同116.1%増)、チーズ(同115.5%増)などの品目で供給量が増えた。
農産物の輸出禁止措置も、国内の食料品供給量の増加と価格安定につながることが期待されている。4月12日からはロシア、アルメニア、ベラルーシ、カザフスタン、キルギスタン五カ国によるユーラシア経済同盟が共同で、主要な農産物の輸出制限を導入している。この輸出制限措置に基づいて、これらの国からは蕎麦、米、大麦、大豆、ヒマワリ、玉ねぎ、にんにく等農産物の輸出が6月30日まで禁止されている。(4/22)


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ロシア国営鉄道が中国からロシア各地に医療用品を輸送

2020-04-23 15:08:33 | コロナ時代のロシア
 ロシア国営鉄道は中国からロシア国内各地に向けてマスクなどの医療用品の輸送を始めた。現在ロシア産業貿易省はコロナウィルス感染拡大防止のため中国から医療用品の買い付けを行っており、ロシア国営鉄道子会社RJDロジスティクスがロシア国内各地へ中国製医療用品を輸送する。4月21日付RJDパートナーが伝えた。
 4月19日に同社が手掛ける医療用品輸送用高速コンテナ便の最初の便が上海を出発した。このコンテナ貨物列車は中国東北部からロシアのザバイカリスク(シベリアエリア)に入り、ロシア西部カルーガ州ヴォルシノ駅に到着する。三層マスク85トン(2000万枚)
を含む積み荷の一部は、経由地のエカテリンブルク(ウラルエリア)で荷下ろしされ国内の主要都市に届けられる。
 「これは産業貿易省との契約で我社が手掛ける大規模輸送プロジェクトの第一弾です。このプロジェクトでは、マスクだけではなく医療従事者用の防護服や、防護服・マスク製造のための特殊繊維を輸送します」とドミトリー・ムレフRJDロジスティクス代表取締役は言う。ムレフ氏によれば、今後中国各地の医療用品製造拠点から現在感染拡大が深刻なモスクワ、イルクーツク、ノボシビルスク、クラスノヤルスクなどの大都市に向けて同
様の貨物鉄道便を運行する計画である。(4/21)


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プーチン大統領はコロナウィルス・ワクチン生産準備を指示

2020-04-18 15:03:00 | コロナ時代のロシア
 プーチン大統領はロシアでのコロナウィルスワクチン製造に向けた準備を始めるよう指示した。ムラシコ保険大臣によれば、現在ロシアでは7箇所の研究機関においてワクチンの開発が進められており、少なくともそのうちのいくつかでは試験が成功しているという。4月17日付で大統領府サイトkremlin.ruが伝えた。
 4月17日にプーチン大統領はビデオ会議で各地でのコロナウィルス感染者受け入れに向けた医療施設増設・改修について審議した。この会議でプーチン大統領は以下のようにワクチン生産準備を早期に始める必要性を強調した。
 「適切な治療法を見つけるだけではなく、必要な量ワクチンを製造できるようにしなければならない。すぐにでも生産体制の準備を始める必要がある」
現在ロシア政府は2020年第3四半期末までに新型コロナウィルスワクチンを開発することを目標に掲げている。上述の会議でプーチン大統領はムラシコ保健大臣に目標期間を前倒ししてワクチン開発を進めるよう求めた。
 ムラシコ大臣によれば、複数の研究機関でワクチンの試験が行われており、臨床試験に向けた準備も進められている。「ワクチンの試験では喜ばしい結果も出ています。我々はすぐにでも量産できるよう、必要な生産ラインの準備も勧めています」と同大臣はいう。
 ムラシコ大臣によればいち早く有効な治療法を普及させる観点から、既存の他の疾病向けのワクチンを活用する可能性も検討されている。
 「ただ新しいワクチンを生産するのではなくワクチンの安全性、効果についても保証しなければなりません。そのため我々は専門家と競技し、他の疾病の治療に既に効果のあるワクチンを適用してより早く、治療法を提供する方法も検討しています」とムラシコ大臣は述べた。(4/17)