ユーラシアウァッチ:ロシアから見る世界情勢

ロシアは一帯一路の地政学的要所。米中対立や中東対立のキープレイヤー。マスコミのロシア情報は貧しい。その致命的穴を埋める。

モスクワデモ監視に銀行個人情報データベースを活用

2019-09-02 08:46:34 | AI ブロックチェーンなど

 モスクワでは9月8日の市議会議員選挙を前に、独立候補への妨害に反対する大規模デモが頻発し、緊張が高まっている。
これに先立つ8月3日、「モスクワ警察が町中の監視カメラ網を始動させる」と報じられた。AI(人工知能)による個体識別機能が搭載された監視カメラを使い、「対象者の移動ルートを完全に追跡し、自宅まで突き止める。これで扇動者たちが監視の目をかいくぐるのは不可能になる」(インターネットジャーナル「スローヴォ・イ・ジェラ」)。
 監視カメラ網は国営銀行ズベルバンクが開発サポートしたもの。
 同行は国民の70%が利用し、顔人称、送金入金、問い合わせ履歴など膨大な個人情報をため込んでいる。
 この個人情報と監視カメラデータを突き合わせて、無名のデモ組織者を割り出すことが可能だ。
 ハイテク監視網が張り巡らされたモスクワデモ弾圧の裏側を探る。


 詳しくは東洋経済オンライン掲載の拙稿
 カネも通信も丸裸、ロシア「監視社会化」の恐怖ー「ハイテク捜査網」がデモを心理的に圧迫ー
 (ちょっとタイトルがステレオタイプすぎるが)
 https://toyokeizai.net/articles/-/300097

ロシア極東連邦大学外学院にロシア発のサイバーセキュリティ科設立

2019-06-13 17:47:16 | AI ブロックチェーンなど

 2018年9月(訳注:ロシアの学年は9月開始)からロシア極東連邦大学(沿海地方ウラジオストク)は
 ロシア発のサイバーセキュリティ―法に特化した大学院修士課程を設立する。2018年度は20人分の奨学生枠が設けられた。
 2018年8月2日付で同大学が発表。
 このコースの卒業生らは、AI、ビッグデータ、VR、ブロックチェーンなどに特化する技術企業に法務サポートを提供するとともに、
 これら分野でのスタートアップを法的リスク軽減の面で支援する。
 同コースの主任を務める極東連邦大学ロースクールのドレミュガ副校長によれば、
 学生たちはまずAIやVR技術利用の法的・倫理的問題、およびグローバル情報空間や仮想通貨の規制を学び、
 そしてサイバー犯罪やサイバー犯罪防止を研究する。
 「高度技術市場でプレゼンスを拡大するには、エンジニアや経営者だけでなく市場ルールの現状と改正状況に周知した専門家が必要です。
 この市場ルールを自ら作っていける専門家が必要なのです。このような専門家がいれば、スタートアップ企業だけでなく、ロシア全体にとっても重要なアドバンテージとなります」と同副校長は言う。
 「ロシアではAIやビッグデータの広範囲での導入はまだ遅れています。この分野で先行するEUや米国、中国、シンガポールの経験を参考に、ロシアでもこれらの技術を発展させていくことを狙っています」とドレミュガ氏は言う。
 このコースには講師として韓国高麗大学のサイバー法センター教授や、捜査機関の専門家、
 ロシア国家ニューロテクノロジー技術イニシアチブセンターの専門家が招かれている。(8/3)

ロシア国営鉱業企業「ノルニケル」とIBMが共同でデジタル技術開発センター設立

2019-06-13 17:44:53 | AI ブロックチェーンなど
 モスクワ物理工科大学、国営ノルニケル、IBMは
 同大学を基盤に鉱工業向けデジタル技術開発部門の研究および専門家養成センターを設立する協定を結んだ。
 6月6日ペテルブルク国際けーざいフォーラムにおいて、それぞれの組織の代表者がこの協定に署名した。
 同日付でモスクワ物理工科大学が伝えた。
 同大学のクドリェフツェフ学長によれば、新設センターの主な課題は、効率化技術、IOT、ブロックチェーン技術の効果的実用法の習得などである。
 同センターは特に鉱工業分野の実用課題に取り組み、オープン標準を基盤にITを活用した鉱工業向け技術を開発する。
 協定に従えば、同大学では新しい大学院生用ブロックチェーンプログラムがスタートする。2019年秋には初年度の同プログラム受講者が集められる。
 ノルニケル社は受講者に奨学金を提供するほか、実験用に同社の施設・設備を提供する。IBMは同講座向けに自社のIT開発にかかわる資料やデータソースへのアクセスを認める。
 モスクワ物理工科大学は、伝統的に自然科学、工学分野の専門家養成に定評のある国立大学であり、
 今後の需要を見込んでブロックチェーン技術の専門家養成に力を入れている。(6/6)

ロシアは中国との取引向け仮想通過センターを設立

2019-06-13 17:43:23 | AI ブロックチェーンなど
 ペテルブルク経済フォーラムにおいて、ロシア極東投資誘致・輸出支援局長レオニード・ペトゥホフ氏は、
 中ロ国境地域にオフショア仮想通過事業センターを設立する案を発表した。6月4日付pravda.ruが伝えた。
 同局長のアンによれば、中ロ国境が設定されたアムール河上の島に仮想通過関連企業の特別区域を設定し、税制優遇を適用するとともに、
 この特区では仮想通過市場の稼働とともに仮想通過による商品取引を認めるというものだ。
 ロシア中央銀行と金融規制当局は、ロシア国内における仮想通過の流通を厳しく取り締まる姿勢を示しており、
 このペトゥホフ氏の案は中ロ国境の一部地域にだけ特例を認める折衷案である。(6/4)

ロシア金融監督委員会は仮想通貨マイニングの取り締まりへ

2019-06-13 17:41:12 | AI ブロックチェーンなど
ロシア下院金融市場委員長あなとりー・アクサコフ氏によれば、
下院は仮想通過マイニングを行政法違反とする法案を準備している。
同委員長は、オープンブロックチェーンにおいて創出された仮想通貨は違法であると指摘する。
6月10日付plusworld.ruが伝えた。
アクサコフ委員長は、ロシア連邦法に基盤を持たない仮想通貨の扱いは不適切であると主張する。
同委員長の意見では、マイニングや発行、仮想通貨取引所の運営などは禁止されるべきである。
 同時に同委員長は、マイニングが禁止されているにもかかわらず、仮想通貨の保有は現在ロシアで禁止されていない。
これは外国の仮想通貨取引所で入手販売するケースに限られる。(6/4)