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夢の羅列<オーケストラ・チューブ-p8・最終回> 20170930
つづき。
10人ほどの男女がやってきて、和気あいあいの雰囲気で
落ちている封筒に各々自分の名前を見つけ拾った。
皆が私と同年代の様子だがまったく顔を知らない。
しかしどうも私の夢の中での知り合いたちのようあった。
一同でお参りに行ってきたという。
私に、早く行ってきなさいよ。お店で待ってるから、とダッフルコートの女がしっかり者の口調で言った。
これから皆で飲みに行くらしい。
私は出遅れたということか。
訊くと、寺だか神社だか知らないが、どうやらこの先3キロほど歩いたところにあるらしい。
往復6キロじゃないか。
やめてくれよ。9万ならともかく、9千円じゃあ行く気がしないよ。
それにすっかり喉が渇いたし。
すでに歩き始めた一団の後に私も続いた。
なんとなく背中に神様だか仏様だかの怒りを感じたが、
まあいいだろう。そんなに気にしない。
お参りに行かないからといって封筒を地面に置いていく気にもならず、
そのままポケットに入れた。
ぞろぞろと砂利道を歩いていると野良猫が一匹ちょこんと座っていて、
近寄ると「ニーニー」と鳴きながら私の足にまとわりついた。
しゃがみ込んで撫でているうちに皆はずいぶんと先に行ってしまった。
悪いけど、もう行かなきゃ。
泣いている猫をそこに置いて、私はまた歩き出した。
おわり。