私はバイデンやハリスよりトランプ大統領を望み、それは叶い、Eマスクという強力な右腕とともに進める圧倒的な速度と規模の大改革を好ましく見ていたが、ここにきてトランプ大統領のロシア寄りの発言に首を傾げている。
ロシア寄りというより、ロシア側といってもいいくらいの発言内容で、曰く「ウクライナがこの戦争を始めたのは間違いだった」というひと言が彼の全主張の主旨を表しているだろう。
ロシアの主張によれば、3年前に、ウクライナ国内に住んでいるロシア系住民たちがウクライナに虐げられているから、その救助のためにウクライナ領内に進軍したわけだが、その時、バイデン大統領は、アメリカ軍はウクライナに介入しないと言い切り、しかもロシアに「あまりやりすぎないで」などと発言していた。だからこの戦争と甚大な被害にはアメリカにも責任があるはずである。
本来であれば、過去アメリカやイギリスも立ち会った取り決めでロシアはウクライナへ進軍をしてはいけないことになっていたのに、である。これはソ連崩壊時にウクライナ国内に残った核兵器をロシアへ移す条件として取り決めたことである。
太平洋戦争末期における樺太を思い出せば、ロシアなどはもともとそういう国であり、庶民レベルは善良でも、政府は歴史的にどこまでも狡猾な人間たちで構成されているのだし、だいたいアメリカ政府もイギリス政府も平気で二枚舌を使うのだから、ウクライナはその取り決めを信用するべきではなかったが、もちろんそんなことはウクライナもわかっていながらも、そうしなければならなかった理由が国際政治上あったのだろう。
今のところトランプの尖った発言はゼレンスキーに向かっているが、私はこのゼレンスキーのことが今になってよくわからない。最近では支持もかなり減ってきているらしい。終わりの見えない戦争に嫌気して脱走する兵隊も出てきているという。彼ゼレンスキーが巨額の私腹を肥やしているという話は本当なのだろうか。そのことについて証拠付きで明らかにする我が国の国際政治学者などさえいないのだから、私ごときがわかるはずもないだろう。
ただし、ゼレンスキーが黒ならば、それはウクライナ国内で裁かれればいいだけのことで、ロシアが戦争終結の条件として、侵略した領土をそのままロシアに帰属して終わり、などということとはあってはならないのではないか。これが許されるなら、チャイナが我が国にいるチャイナ人を助けるために進軍してこないとも限らない。ロシアも北海道にいるアイヌ(純粋なアイヌなどもういないが)はもともとロシア民族であるという超理論で北海道に進軍してこないとも限らない。
トランプは長く商売人であったから、何を売るにしてもまずは大きくふっかけてから交渉を有利にしようとしている可能性は十分にある。しかし国家間の話だから、それをするには大きなパワーがなければ出来ないことだが、トランプには今それがあるのだ。
ただし、この交渉を横から見ているEマスクがどう考えているかが後々問題になってくるような気がする。彼Eマスクがそういった大人の駆け引きを理解できるようには見えないから。
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