夢の羅列<転落リフト>
リフトからは朝の町並みが見渡せた。
統一感のない住宅街の屋根がどこまでも続いた。
それにしても揺れるなあ。
小さな振動に時おり大きな振動が、
というよりも衝撃に近い揺れが周期的に発生するのだ。
と思っていた矢先にいきなり何かを乗り越えたと思えるくらいの
揺れがあり、私もさすがに身の危険を感じ車体にしっかりと掴まった。
同時に、
前に座っていた推定55歳くらいの女性が車内前方下に転げ落ちた。
「おぉっ」と私と他の乗客が固唾を飲んで見守っていると、
ゴロンゴロンと3列ほど転がった女性は、
左側の席で居眠りをしていた男性に引っ掛かって止まった。
ところが男性はそれでも起きずに、しかも
寝ていた体勢を急に変えたため、
ちょうどそこに引っ掛かっていた女性はまた落ちた。
「ワハハ」と一同が笑った。
笑ってはいけない場面のような気もしたが、笑った。
そんな少しばかりの波乱もあったが、
リフトはなんとか無事に下に降りた。
つづく。
リフトからは朝の町並みが見渡せた。
統一感のない住宅街の屋根がどこまでも続いた。
それにしても揺れるなあ。
小さな振動に時おり大きな振動が、
というよりも衝撃に近い揺れが周期的に発生するのだ。
と思っていた矢先にいきなり何かを乗り越えたと思えるくらいの
揺れがあり、私もさすがに身の危険を感じ車体にしっかりと掴まった。
同時に、
前に座っていた推定55歳くらいの女性が車内前方下に転げ落ちた。
「おぉっ」と私と他の乗客が固唾を飲んで見守っていると、
ゴロンゴロンと3列ほど転がった女性は、
左側の席で居眠りをしていた男性に引っ掛かって止まった。
ところが男性はそれでも起きずに、しかも
寝ていた体勢を急に変えたため、
ちょうどそこに引っ掛かっていた女性はまた落ちた。
「ワハハ」と一同が笑った。
笑ってはいけない場面のような気もしたが、笑った。
そんな少しばかりの波乱もあったが、
リフトはなんとか無事に下に降りた。
つづく。