たしか一昨年くらいに初めてこのピンクフロイドのデビッド・ギルモアがプライベート風に歌う動画を見たのだが、最初は孫娘と一緒にやっているのか、と微笑ましい気持ちを感じた。しかし少し調べてみたら娘だった。ロマニーという名であるらしい。50歳くらい離れているだろう。いや今確認してみたら56歳差だった。たしかに面差しが若い時のデビッドに似ているようだ。56歳離れた娘か。目に入れても痛くないほど可愛いとはこのことだろう。歌もなかなか。澄んだ声は親譲りか。つまりこの動画は娘のデビューを見据えたお披露目的な意味合いがあり、今日現在ではロマニーはデビューもしていて、ライブなどにも出演しているとのこと。
この動画では、今日は別荘に家族が集まり、軒下で歌ってみました。みたいな雰囲気を出してはいるが、急拵えでとってつけたような道具やら材木やらの演出はまあ見逃すとして、録音はさすがである。知らない人には、歌の上手いおじいさんくらいにしか見えないだろうが、ライブでは今でも10万人集めるピンクフロイドのギターボーカルである。ギターはECより上手いと言われた男である。70年代から最先端のサウンドを世界に提供してきたバンドである。ほんの一発録りでも技術と経験は惜しまない。この雑音のなさ。臨場感。4本のマイクによる音場形成。ギターとハープの音の明瞭なこと。歌声の輪郭も見事で、自然なリバーブが心地よい。もちろん最高のスタジオで最高の機材を使い、最高のスタッフが録っているのだから当たり前だが、良いものは良い。曲はカナダの詩人レナード・コーエンの作。
E V O L U C I O