
Pogues singer Shane MacGowan gets a full set of new teeth
画像と文章はなんの関係もナシ。
夢の羅列<地下の同級生>
つづき。
「なんでアイツがここにいるんだ」
地下の駐車場で私にそう思わせた男は私の昔々の同級生で、
去年、誰だったかの葬式に行った先で15年ぶりに会ったYであった。
このYとは過去にたった3年間ほどだが、濃い付き合いをしていたので、
その後、ほとんど会うことはなかったが、気心はお互いよくわかっている。
「何やってんだよ。こんなところで」
私が彼の車に乗り込みながらそう訊くと、
運転席から相変わらずの人懐っこい目で、
「それがさぁ、まあタチの悪い奴らもいたもんで、
民度が低いというか、ガラが悪いというか、もう話になんないよ」
「何があったんだよ」
「もう、なんつうか、人を見ればケンカを吹っかける奴っているじゃない。
そいつらとさっきまでここでモメてたんだけど、やっとこ治まったとこ。」
「なにしてんだよ、いい歳して。もういい加減にしておけよ」
「まあなぁ」
その時、いくつかの人影が少し離れたところで動くのが見えた。
「あいつらか」
「いや、全然違う」
私はホッとした。
この歳で揉め事なんて恥ずかしい。
そう私が安堵していると、突然Yがウインドウをいっぱいに下げ始めた。
そして地下駐車場が鳴り響くかというほどに叫んだ。
「何見てんだよ。コラ。こっち来い。やってやるから」
私はもしコーラでも飲んでいたら、ブッと吹き出していただろう。
「オマエが発火点じゃねーか」
私の声も虚しくYには届かず、
Yはすでに車を降りて、人影にひとり突っ込んで行くところだった。
「おいおい、勘弁してくれよ」
私も仕方なく車を降り、あのバ○を止めようと向かった。
暗い方からYの声が聞こえた。
「そいつらを頼む」
いやいやいや、頼まれないよ。
そして私に近づいてきたのは、
白人の大きな女と、やはり白人の肥満児であった。
「おいおいおいおいおい。なんだよ、コレ。」
誰にというでもなく、声を上げてしまった。
女はともかくとして、男も、男というより、男の子じゃないか。
肥満児って、本当の肥満児だよ。
あのギャング系みたいな、デカいのじゃなくって、
ただの食べ過ぎの男の子だよ、コレは。
つづく。