[花の写真は挿絵代わりのオマケ]
今回もざれごとを無責任に投稿
前回、パラレルワールドは存在するか? では私たちがいる宇宙の観測不可能な世界をパラレルワールドとして投稿した。
今回はSF小説などで取り上げられている別世界(別宇宙)のパラレルワールドについて記してみたい。
ちなみに私が無責任に多元宇宙を肯定するとしたら、
「過去>現在>未来」とは時間が発生したために認識している概念」
「時間は空間が膨張する事で存在しているように見えている」
「過去も現在も未来もすべてひっくるめて存在している」
「過去・現在・未来を存在するものとして考えるなら現在は未来からの投影」
「過去は現在からの投影として存在している」
「そのためには宇宙は多数存在しなければ説明できない」
と思っている。
[本文]
<序章>
その昔、今から半世紀ほど前の物理学者は別宇宙の存在を口にすると「異端児」「変わり者」のレッテルを張られることもしばしば。
でも21世紀に入った現在では理論物理学ではパラレルワールドとしての別宇宙の存在を肯定する科学者が多数存在している。
有名なところではMIT(マサチューセッツ工科大学)の教授マックス・テグマークや東京大学カブリ数物連携宇宙研究機構初代機構長 村山斉がいる。
(この二人なら物理や宇宙に興味がある人ならドキュメンタリー番組で一度は目にしていると思われる。)
宇宙を表す言葉は幾つかある。
スペース・・・空間そのものを宇宙と結び付けた。
コスモス・・・調和や秩序を意味して宇宙が安定していると考えてつけられた。
そして、
ユニバース・・・「universe」で「uni」はラテン語で「単一」を意味する「unus」が語源。
同じくuniを使った言葉としてユニオンフラッグ=国旗やユニフォーム=集団の統一的衣服があり、いずれも単一のものと言う意味が込められている。
これらと同じようにユニバースは「単一の存在」と言う意味合いで宇宙を示す言葉として使われてきた。
ところが宇宙(森羅万象)を説明する理論として近年では「超ひも理論」が主流になってきて説明する過程で宇宙が複数ある方が自然であるとする流れが出てきた。
これがマルチバースのきっかけの一つ。
<多元宇宙=マルチバース>
宇宙が単一でなく複数なら「ユニ」ではなく「マルチ」
ならば私たちの宇宙は「マルチバース」の中の一つに過ぎない。
しかもマルチバースの数はそれこそ天文学的な10の500乗個もあると言われている。
その数は「1」の後ろに「0」が「500」個もある数。
それらの宇宙を見ると、
「光の速さが私たちの宇宙よりも遅い宇宙があれが速い宇宙もある」
「私たちの宇宙は3次元+時間で4次元時空(超ひも理論上では10次元か11次元)だが他の宇宙には2次元もあれば5次元・6次元といった宇宙もある」
「生まれてすぐに真空崩壊して消えてしまう宇宙もあれば私たちの138億年経った宇宙より長い歴史を持つ宇宙もある」
ようするに「何でもあり」
だから現代科学で説明がつかない現象・事象があっても不思議ではない・仕方がないとする。
<マルチバース反対論者>
理論物理学の世界は現在でも理論で説明できないものを良しとしない風潮の方が多数派。
英国人理論物理学者の故スティーブン・ホーキング博士もその筆頭だった。
彼はマルチバースを発表したロシア人理論物理学者アンドレイ・リンデを司会(兼 通訳)に開催した当時ソ連で行われた記念講演で、
「アンドレイ・リンデのマルチバース理論は画期的で興味深い内容」
と持ち上げておいて次に
「ただ、この理論はまったく馬鹿げた説明を放棄した理論だ」
とこき下ろした。
(余談で、アンドレイ・リンデはホーキング博士を尊敬して当時のソ連に招いていただけに天国と地獄をいっぺんに味わった気分だっただろう)
ホーキング博士は理論で説明づけられないものは認めない姿勢を貫いた有名なエピソードである。
<ホーキング博士が晩年にマルチバースを肯定?>
ホーキング博士は世を去る2018年3月より前にインターネットに最後の論文を投稿していた。
タイトルは「永遠のインフレからのスムーズな脱出?」
この論文は理論物理学者の要約が主な内容で書籍としても出版されている。
(早川書房:ホーキング、最後に語る : 多宇宙をめぐる博士のメッセージ : A smooth exit from eternal inflation?)
内容は私にもチンプンカンプンだが著作者とは別の論文を要約した物理学者によると、
一般人に分かりやすい例えで、
「ビッグバン・インフレーションの後、今日の私たちの宇宙はインフレーション当時から見たホログラムの様な存在」
「ホログラムとは投影の事で宇宙の始まりを光で投影した様な結果が現在の宇宙」
「インフレーション自体はお湯が沸騰した泡の一つの様な存在で弾けてすぐ無くなるものがあれば大きく成長し続ける泡もある」
「私たちの宇宙もその泡の一つで別の宇宙も沸騰した泡の様に沢山ある」
「故に宇宙は多数あるかもしれない」
だと言う。
ここで個人的な解釈では、
3次元空間に時間軸を加えて説明するには理解に無理があるので3次元を2次元に置き換えて3つ目の次元を時間軸に置き換えて説明すると、
・現在の宇宙は宇宙の始まり時点(※1)の平面宇宙(2次元宇宙)の裏側から光を当てて投影したようなもの。
・現在の合点がいかない観測結果(宇宙の加速膨張・ブラックホールの底(特異点※2)・宇宙の始まり(特異点)・ヒッグス粒子が理論値より小さかったなどなど)を肯定させるには多次元宇宙の存在があってもいいのではないかと仮定した。
・これらを難解な数式で説明して見せた。
だと思っている。
※1:宇宙の始まりで10の-37秒のうちに大きさがない点が光速を遥かに超えてピンポン玉ほどの大きさに広がったと言われている。
これは宇宙の始まりが時間「0(ゼロ)」で空間が広がった≒平面(2次元)状態とみなしてもおかしくない。
※2:特異点≒数式の答えが破綻して説明できない事。
<では多元宇宙は存在するのか>
天才ホーキング博士は多元宇宙が存在するとしたら上手く宇宙の始まりを説明できるという解釈を示した。
ただ、ホーキング博士の理論は簡単に証明できるものではない。
他の論文、例えばブラックホール蒸発に関係するホーキング輻射(放射)に関しても蒸発までにかかる時間は計算上10兆年以上。
宇宙の始まりから宇宙の晴れ上がりと言われるまでの38万年間はあらゆる光(ガンマ線・X線・紫外線・可視光線・赤外線・電波などの電磁波)は現代科学では観測不可能。
なのでホーキング博士の論文が証明される見込みはほぼ無い。
ただ今後、超ひも理論の解釈が進んだり大型加速器で未だ見つからない超対称性粒子の発見などがあれば多元宇宙が晴れて肯定される日が来るかもしれない。
ちなみに私は冒頭「マルチバースを肯定するとしたら」と記したが、
「マルチバースは存在している」
「現在や過去は我々が言うところの未来からの投影」
だと思っている。
機会があれば「現在や過去が未来からの投影」であることに関連して『消えたり同時に二か所に存在する素粒子』について投稿してみたいと思っている。
【最後まで戯言にお付き合い頂きありがとうございます】
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