思わず爺が「ヤッチャン!」と小声で呼びかけたら、二度目にようやくあの女性が
振り返りました。
顔を隠すようにマスクをしていたので爺も直ぐには気付かなかったのです。
二人は二言三言かわすと、長い廊下を並んで進みエレベータ・ホールへ
向かいました。 暫らくしてエレベータに乗り、ボタンを押して二人は無言で、
視線を合わせずにエレベータの表示ランプを見つめていました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/7e/4a/5b58c94ea1d6ef3fbc769ba2afbf9e49.jpg)
何か張り詰めた様な、気まづい様な雰囲気でした。ようやくフロアに着くと、
爺が先導するように二人は廊下を進み、予約済みの部屋の前で、一瞬
ためらった後、ドアーを開けました。 二人で部屋の中へ入るとそこは・・・・・