[2022年以後] ぼくらの時代、ぼくらの祖国

「ハケンアニメ」辻村深月が傑作を描いたからこの名作が生まれた

映画「ハケンアニメ」は辻村深月の原作だから見たくて見たのだがとてもいい映画だった。
新人監督・斎藤瞳(吉岡里帆)の苦闘、奮闘。彼女を育てるために厳しい要求を課すプロデューサー・行城理(柄本佑)との対立、衝突。映画はそれが本筋で王子監督(中村倫也)と有科プロデューサー(尾野真千子)のことはウエイトが低かった。それでも多くのクリエーターの人たちの熱気に胸が熱くなったのだが。
小説「ハケンアニメ」に書かれてる登場人物の情熱や葛藤は、映画の3倍くらいのディテールで胸に迫った熱量も3、4倍。映画では斉藤と行城への感情移入が大半だったのに、小説はアニメーターの和奈、選永市観光課の宗森、声優たちのひたむきだが燃えるような情熱がこれでもかというように描かれて、泣けてきた。素晴らしかった。

映画と小説、どちらがより素晴らしかったか、みたいな問い、そういう発想は意味がないって思う。
映画は吉野耕平監督の作品というべきだろうが、吉野は泣きたくなるほど感動しながらこの辻村の小説を読んだに違いない。そして映画化を決意をし、実現に向けて走り回っていったのだろう。この小説の中に登場する監督、プロデューサー、クリエーターたちのように。熱い心で。
辻村がこんな傑作を書かなかったら、日本アカデミー優秀作品賞、優秀監督賞 など数々の賞を受賞したこんな名作は生まれなかった。
この両方を楽しむことのできる私たちは幸せだ。

辻村が撮影現場を訪れたこの記事もとっても興味深い。胸がさらに熱くなる。
[「ハケンアニメ!」実写化をどう感じた? 辻村深月に響いた製作陣の真摯な姿勢]


















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