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本と音楽とねこと

ポセイドン

 どんなにハイテクを駆使した迫真の映像であっても、30年以上昔に撮られた旧作をしのぐことはできなかった。ゲームを一つ一つクリアしていくかのような作品構成からか、退屈しなくてすむのはたしかだが、見たあと見事になんにも残らない。大人になって楽しむ映画なんか、しょせんこんなもんか。

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パニック映画の先がけとなった1972年の『ポセイドン・アドベンチャー』をリメイク。原因不明の巨大波に襲われ、転覆した豪華客船「ポセイドン号」で、わずかに生き残った人々のサバイバルを描く。基本設定はオリジナルと同じだが、キャラクターや脱出までのストーリーは改変。元ニューヨーク市長の親子やギャンブラー、密航者に、初老のゲイの男など、人物像に新しさを感じさせる。
デッキに巨大プールを備えるなど、客船のゴージャスな外観が紹介されるオープニングが圧巻。この約2分半の映像は、主演のジョシュ・ルーカス以外、すべてCGというのも驚きだ。船が傾き、パニックになる船内の様子は、大量の水に流される人々、倒壊物に押しつぶされる犠牲者など、72年版と比較しようもない生々しさだ。ただ後半のサバイバルでの感動は少ない。監督は、余計な人間ドラマよりもリアルな脱出劇を試みたようで、誰も助けられずに犠牲になる者が続出するのも、ある意味、パニック状況では正しいのかもしれない。この種のアクション大作にはめずらしく1時間38分という短さだが、途中でだれることがなくスッキリ観られる。(斉藤博昭)

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