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本と音楽とねこと

日本のフェミニズム──since1886性の戦い編

北原みのり編著,2017,日本のフェミニズム──since1886性の戦い編,河出書房新社.(8.22.24)

女性たちは何を願い、何と戦ってきたのか?廃娼運動、売春防止法、リプロ、レズビアン運動…その歴史の原点から、わかりやすく解説するガイドブック決定版!

 論稿のみを見れば、フェミニズムの入門書としてはけっして悪くはないのだが、フェミ界隈の醜い分断を感じさせる内容であり、読後感は最悪だ。

 日本の女性学を牽引してきた「アカフェミ」の論者は、執筆陣からことごとく排除されている。
 巻末の「ブックガイド」からも、「アカフェミ」がてがけた重要文献はことごとく抜け落ちており、賞味期限の切れたどうでも良い本が並ぶ。

 笙野頼子は、インタビューで、上野千鶴子さんへの罵詈雑言を吐き散らかす。
 批判は大いにけっこうだが、公共の場で糞便をまき散らかすかのような下品な振る舞いと、それを臆面もなく掲載した北原みのり等の底意地の悪さには辟易する。
 河出の編集担当者は出版人としての自覚とプライドがないのか?

 「野良フェミ」ってしょせんこの程度なの?
 Yes。
 この体たらく。

 パワーゲームは、男の占有物ではない。

 北原等のように、陰険なパワーゲームを仕掛ける輩もいる。

 そこには、差別と抑圧に抗しようという気概さえ感じられない。

 「女の敵は女」なんて、家父長制の下にふんぞり返るオヤジがカネで囲った愛人に言わせているとしか思えない台詞をもちだすつもりはない。

 それでも、差別と抑圧に苦しんでいる人が放置されている現実を前にして、フェミ界隈にこのような排除と分断をもちこむ女たちには、軽蔑と怒りしかない。

目次
1 日本のフェミニズム―女性たちの運動を振り返る
2 廃娼運動―はじめての「性の戦い」
3 売春防止法―性の搾取から女性を守りたい
4 リプロ運動―女性の身体にまつわる権利を考える
5 レズビアン運動史―女と生きる女
6 性の自己決定をめぐる80年代の戦い
7 AVの中の性暴力を告発する
インタビュー 「フェミニズム」から遠く離れて(笙野頼子)
エッセイ(シスターフッドが信じられない人へ(柚木麻子)
彼女たちに守られてきた(松田青子))
ブックガイド 女性運動・フェミニズムをより知るためのブックガイド


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