心の手帖…風通しの良い繋がりを求めて

心を精一杯広げて、現代社会を味わう方法を探していくために、心を整理する手帖のようになれば…

スタンリーのお弁当箱(印映画)

2013年12月03日 06時04分53秒 | 映画鑑賞
今日は、インド映画『スタンリーのお弁当箱』(2011年/96分)のご紹介です。

(c)2012 FOX STAR STUDIOS INDIA PRIVATE LIMITED

 写真を見て、お分かりのように、少年達の友情が織り込まれた、涙と笑いのリアルなドキュメンタリーとフィクションの融合、インドでは全く新しいスタイルだそうです。

 最初のイントロダクションが、クレヨンタッチのアニメーション仕立てで、遊び心がくすぐられる可愛さで、しかも全体のストーリーを伏線にしていて、一目ぼれでした。
 また、実際、脚本の代わりに本物の教科書を与え、学校においてワークショップを行いながらの、1年半に及ぶ撮影期間中、出演した子供たちは、最後まで本物の映画撮影だとは気付かなかったそうです。この映画の趣旨が児童労働という現実社会へのアンチテーゼでもあり、子供たちの教育を受ける権利を侵害せずに、撮影は、授業のない休日に行われたそうです。

 主演のパルソー少年は、監督アモール・グプテの実子ですが、映画の中では、日常的に大人と同様に労働を強いられる、身寄りの無い少年を、天性のナチュラル感で演じています。お弁当箱を見つめるスタンリー少年の何とも言えない幸せそうなまんまる瞳!インド最大の映画祭ナショナルフィルムアワードで、最優秀子役賞を見事受賞しました!

 インド映画界最高のヒットメーカーであるカラン・ジョハルが完成後の作品を観て、大変気に入り、奇跡的にメジャーのフォックスから配給が決まったというエピソード付き。

 インドの一般家庭の料理が、お弁当という形の中で、とっても美味しそうに紹介されています。日本にも、インド料理は定着してきていますが、本場となると、またエキゾチックさがありますね。

 インド映画には、何かとても原始的な人間模様・素直な心がふっと、呼び起こされるような後味、余韻があります。…素敵な映画に出会えました…