皆さま、こんにちは。
ikus.医療美容ケア研究会 認定サロン atelier Frangipani 高溝です。
先日、抗がん剤治療中の頭皮冷却の効果について記事を書きました。
興味のある方はそちらを見てください
今日は、抗がん剤治療中に使うシャンプーについてのお話です。
ここに載せる情報はあくまでも私の見解です。
10年、抗がん剤治療で脱毛する方を見てきていろいろな商品を試してきて出された結論です。
一般的に出回っている情報とは違うかもしれません・・・
(話が長くなってしまったので2回に分けて書くことにしました)
まず質問です。
脱毛した頭皮はどんなもので洗ったらいいと思いますか?
1,髪の毛が無いから、ボディソープ
2,洗顔の延長でそのまま洗う
3,とにかく優しいシャンプーで優しく洗う
これ、実はどれも不正解です
皆さん、普段シャンプーって髪の毛を洗っていると思っていませんか?
もちろん髪の毛も洗っていますが、実は頭皮をきちんと洗わないといけないんですよね。
髪の毛を洗っているのがシャンプーだから脱毛したら全身と同じボディソープで良い・・・と思うのは大きな間違いです。
脱毛した頭皮には実は皮脂がすごく溜まりやすくなるんです。
髪の毛って実は、こんな感じになっています。
毛根は、毛穴の一番下にあって毛細血管が通っています。その毛細血管に抗がん剤が到達して細胞分裂を止めてしまうんですね。なので、髪の毛は毛根から離れて抜けてしまうんです。
頭皮冷却をするのはこの毛細血管に届く抗がん剤の量を少なくするってことなんですね。
この図で注目して欲しいのは・・・皮脂腺の場所です。
皮脂腺って言うのは、皮膚の表皮に近いところにあります。
普段は、皮脂腺から皮脂が分泌されて、毛穴の髪の毛の周りとか頭皮に皮脂膜を作っています。
でも脱毛すると・・・下の図の右の感じですが・・・
ぱっくり開いた毛穴に皮脂がびっしりと詰まってしまうんですね。
この状態で、優しいシャンプーで優しく洗っていると・・・どうなるか・・・
頭皮表面の脂は落とせたとしてもこの毛穴の中の脂が落としきれないという状況が起きてきます。
脂は酸化しますから、そのままほっておくと、過酸化脂質といって毛穴や頭皮にこびりついてしまうんです。
毛穴に過酸化脂質がこびりついてしまったら・・・治療が終わって毛根が細胞分裂を始めたとしても髪の毛は出てこれないですよね。
その脂の中を必死に外に出ようとした髪の毛に癖が出てしまったりするのではないかと私は考えています。
くせ毛についていろいろ調べているとこんな文章が出てきますから・・・
「頭皮に何か邪魔なもの・・汚れや皮脂など・・があると、髪が曲がって生えてくる原因になります」
当店でも初めてヘッドスパをする時に、マイクロスコープで頭皮をチェックしますが、こんな髪の毛がある方が多いです。皮脂で表に出てこれなくてくるっとまるまっている髪の毛
ヘッドスパで頭皮をキレイにするとこの髪が表に出てくるので急に伸びたような印象になります。
ヘッドスパをすると髪が伸びるってよくお客様から言われますが、正確には出てきているんだと思いますよ。
なので、当店でウィッグを製作された方は、治療が終わってすぐからヘッドスパに来て頂くので、この脂を除去出来ます、なので割と癖が無い感じの髪の毛で伸びていく方が多いです。
他社ウィッグをお使いで、治療が終わってから半年以上特に何もケアしていなかったという方がご来店されることもありますが、びっくりするくらい縮れ毛になっている方がいらっしゃいます。
ネットで抗がん剤後は髪質が変わってくせ毛になると書いてあったのでそういうものだと思っていました・・・そんな話を良く聞きます。
確かに、脱毛前と同じ髪質に戻るということは難しいかもしれませんが、極力くせ毛にならないようにすることは出来ると思っています。
ネットの情報は、都市伝説のようになってしまっていますので、あまり信じ込まない方がいいかもしれません。
ちょっと話が長くなってしまったので、続きは明日・・・
とりあえず、脱毛した頭皮は皮脂が溜まりやすい→その皮脂が悪さをする
それはなんとなくわかっていただけたでしょうか・・・
明日は、脱毛中つまり抗がん剤中にどんなシャンプーを使えば良いのかをお話ししますね。