アメリカでは住宅ローンの証券化でその仕組みの複雑さが問題になった。仕組みが複雑になった理由は、銀行が債権を譲渡して、譲渡を受け入れた先が証券を発行したことにあった。
これに対してカバードボンドでは、債権は発行者のバランスシートにとどまっている。これはどういうことか。
まずカバードボンドとは、銀行の社債であって、加えてその特定の資産により裏付けられている(カバーされている)もの。つまり銀行債の信用力をさらに高めた設計になっている債券である。
ところで銀行が出すのであるからこれを金融債、金融機関債とみても間違いではない。
2つの種類があり、一つは不動産に裏付けられた貸付債権(mortgage loan その内で量的に多いのは住宅ローンである)を裏付けにするもの。もう一つは地方自治体向けの貸付債権を裏付けにするもの。
これらの資産への遡及権付きという言い方がある。銀行が破たんしたとき、これらの資産はほかの銀行資産から分離されて、債券の支払いが保たれる仕組みになっている。
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The covered bond Bis 2007。
日本では社債は現在では無担保が主流だが、少し前まではむしろ担保付社債(物上担保付社債)が主流だった。土地、工場、機械設備、船舶などを物的担保としている。
カバードボンドの特徴は、貸付債権のように債権そのものを担保にしている点に見られる。日本で貸付債権の保全のために、取られるのが担保で担保は土地など物的担保と、保証など人的担保に分かれる。
海外のカバードボンドは、その支払い責任はまず発行者である銀行にあるが、万一銀行が破綻したときは、銀行のほかの財産から債券発行の根拠となった特定の貸付債権が分離されることと、この特定の貸付債権への遡及権を認めている。
covered bondは、歴史的にドイツ(プロシア)のPfandbriefに起源がある伝統のある債券として知られる。7年戦(1756-1763)のあと1769年にフレデリック大王(Frederick the Great)は、領主たち(noble landowners)の苦境を救うため、国王の布告により州会(Landschaften)と呼ばれる公法による組織を作ることと、この州会をして州会が領主たちに行う貸付をPfandbriefを発行して回収すること(refinance)を認めた。この仕組みは間もなくヨーロッパ大陸全体に普及した。またこの仕組みは19世紀半ばに登場する抵当銀行により用いられることになった。
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2010-06-29
2014-08-22更新
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