Entrance for Studies in Finance

Case Study on Daikin ダイキン工業

ダイキン工業 インバーター技術が得意 空調売上高で世界首位 
1995年中国に進出。中国に14年かけて約2900店の専売店網構築 消費者への浸透に成功。2008春 珠海格力電器(広東省)と包括提携。エアコン心臓部にインバータ搭載機種 低コスト省エネ型を共同開発。2007年に約2700億円(2400億円とも)を投じてマレーシアの空調中堅OYLグループを買収。2007年6月公募増資で1100億円調達。2009年 インドに工場立ち上げ。2010年度の家庭用エアコン生産台数は2009年度比100万台以上増加 約400万台 2年ぶりに過去最高を更新。タイでの生産が130万台程度と日本を抜いた。家庭用エアコンの世界市場規模は2009年度で6000万台超。2011年3月期の連結決算(売上高は1兆1603億円で13%増加 純利益は198億円で2%増加 営業利益は754億円 71%増加 円高は利益の目減り要因)。中国の珠海格力電器 広東美的電器などが1000万台以上を生産。ダイキンは業務用と合わせて空調世界1の地位を維持(空調の売上高で米キャリアを上回り世界首位)。
 2011 トルコのエアフェルト社を200億円で買収) 2010年度に米キャリアを抜いて、空調の売上高で世界首位に浮上(2011年度売上高は1兆400億円 中国では格力と2008年以来包括的提携関係 格力に技術供与)。しかし、中国勢(珠海格力電器:ブラジル、ベトナム、北米に進出すみ 広東美的電器:キャリアの南米3ケ国事業を2011年に買収)の急速な追い上げに直面している。
 2012年8月29日 アメリカのグッドマングローバル(売上高1600億円 1975年創業 テキサス州 米家庭用エアコンでシェア25%の首位)のほぼ全株式を3000億円(37億ドル 2900億円)で買収を発表。世界首位(空調で世界最大手)を固めることになった(両者を合わせた売上高は1兆2000億円超 アジアにかたよった売上構成を修正する狙いも 2011年度 日本37% 欧州19% 中国18% その他アジア11% 米州9% オセアニア3% 中近東アフリカ3%)。2014年3月期 過去最高益を達成。売上高の7割超は海外。連結社員数5万6200人。 連結子会社209社。2014年3月期連結決算 純利益918億円(6年ぶりに最高益更新)。売上高1兆7830億円(38%増)。営業利益1550億円(75%増)。2015年3月期の連結営業利益で1900億円達成を狙う(2014年10月末段階・・・2016年3月期の目標を1年前倒しで達成)。主要部品共通化による量産効果。品揃えの豊富さ、エネルギー効率(省エネ性能)の高さで顧客の支持、販売代理店の増加、円安による利益押し上げ効果。
 ダイキンを率いるのは井上礼之会長。スズキを率いる鈴木修氏、ファーストリテイリングの柳井正氏、日本電産Nidecの永守重信氏らとともに巧みな牽引ぶりからカリスマ経営者と呼ばれて久しい。

 北米や中南米の家庭用エアコンは空気を配管で建物全体におくるダクト方式が主流(したがって住宅設備の据え付け業者がエアコンを選ぶ)。ダクト方式に強いグッドマンの買収で米州市場の開拓を進める狙いもあるとされる。
 買収による借入で負債比率は2011年度の34%から2012年度40%台に跳ね上がる。今後3年で累計340億円の利益押し上げ効果を見込む。5-8年で投資は回収とできる計算だ。買収金額総額37億ドル うち25億ドルは三井住友銀行 三菱東京UFJ銀行 みずほコーポレート銀行の3行が融資する。その15億ドル(1200億円)は国際協力銀行が2011年夏政府が設けた緊急融資制度を活用するもの(外国為替特別会計のドル資金を利用する)。残りは手元資金.社債発行で賄い増資はしない。
 今回の買収は2010年春に交渉開始したが、東日本大震災で中断していたもの。買収によりグッドマンの営業利益率15%前後の手法を学ぶとして、新たな人材を得られる利点が語られている。なお2013年7月にはインドネシアのエアコン販売会社を買収している。
 世界の空調市場は2010年の18兆円から2015年の24兆円に拡大と予想されている。

資料
ダイキン工業 ullett
ダイキンヨーロッパのサービスイノベーション
井上直惠「ダイキン工業のグローバル戦略」
ダイキン工業の環境取組 中央環境審議会資料
分類:Case Studies

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