土地や中古住宅の売買を予定する方が知っておきたい不動産用語として、契約不適合責任があります。
不動産売買に関する契約不適合責任をわかりやすく簡単に解説しましょう。
契約不適合責任とは、土地や中古住宅の売り主が負う責任
不動産売買に関する契約不適合責任とは、土地や中古住宅の売り主が負う責任のことです。
そもそも土地や中古住宅の買い主は、民法の第五百六十二条により追完請求権を有しています。
土地や中古住宅の買い主が有する追完請求権とは、売買契約を結びつつ購入した土地や中古住宅が、売買契約の内容を満たさない品質である場合に、売り主に修補を請求できる権利です。
たとえば、土地を売りたいと希望するAさんと、土地を買いたいと希望するBさんがいらっしゃったとしましょう。
AさんとBさんは売買契約を結びつつ土地を売買し、AさんからBさんに土地が引き渡されました。
その後、買い主であるBさんが購入した土地に住宅を建てようと基礎工事を行ったところ、地中から大量の建築廃棄物が発見されました。
建築廃棄物が埋まっていては地盤が安定せず、満足な住宅を建てることができません。
建物を建てることができない土地は、土地としての機能を満たしません。
また、売買契約書には、土地に建築廃棄物が埋まっていることは記されていませんでした。
つまり、AさんとBさんが売買契約を結びつつ引き渡された土地は、売買契約の内容を満たさない品質であるというわけです。
このように売買契約を結びつつ引き渡された土地や中古住宅が、結ばれた売買契約の内容を満たさない品質である場合に、買い主が売り主に修補を請求できる権利が追完請求権です。
買い主であるBさんが追完請求権を行使しつつ売り主であるAさんに修補を請求したのであれば、修補を請求された売り主であるBさんは責任を果たしつつ修補しなくてはなりません。
このBさんが果たすべき責任が、契約不適合責任です。
以上が不動産売買に関する契約不適合責任の意味であり、契約不適合責任とは、引き渡された物件が売買契約の内容を満たさない品質である場合に売り主が負う、その物件を修補する責任を意味します。
なお、土地や中古住宅の売り主には契約不適合責任があることにより、買い主は安心して不動産を購入できますが、この状況を売り主の立場から見ればどうでしょう。
土地や中古住宅の売り主は、物件に売買契約の内容を満たさない欠陥があることを知らずに引き渡した場合でも契約不適合責任を負います。
つまり、不動産の売り主からすれば、契約不適合責任があることにより、おいそれと土地や中古住宅を売却できないというわけです。
不動産の売却を希望する者が、おいそれと不動産を売買できないことは問題であり、そうなれば不動産の流通が閉ざされてしまいます。
よって、土地や中古住宅の売り主は、売買契約書に契約不適合責任を負わないことを盛り込むことが可能です。
売買契約書に契約不適合責任を免れることを盛り込みつつ売買契約が結ばれれば、引き渡された物件に欠陥があったとしても、売り主は修補する責任、すなわち契約不適合責任を免れることとなります。
また、土地や中古住宅の売り主は、契約不適合責任を負う場合であっても、売買契約書に盛り込むことにより、契約不適合責任を負う期間を定めることが可能です。
これにより、土地や中古住宅の売り主も安心して不動産を売却できます。
契約不適合責任の詳細は、私が運営するサイト「誰でもわかる不動産売買」の「契約不適合責任をわかりやすく解説」にて詳しくご説明中です。
同コンテンツでは、土地や中古住宅の買い主が追完請求権を行使できる期間などもご紹介しています。
土地や中古住宅の売買をご予定の方がいらっしゃいましたら、ぜひご覧ください。
それではまた次回の更新でお会いしましょう。「わかりやすく解説 | 不動産のあいうえお」でした。