「星を読む会」主催、第39回福井読書感想交換会が令和2年3月25日(水)午後7時から、福井県立美術館横「美術館喫茶室ニホ」で行われました。
課題図書は、桑島かおり著「ことぶき酒店御用聞き物語」(光文社キャラ文庫)。
福井読書感想交換会の名物企画、福井ご当地作家作品を読もうの回。
女性らしい文体と、会員がなんとなく覚えがある地名やお店が作中に出てきて読書熱を加速させたようです。
さて、どのような感想が出てくるのでしょうか、聞き耳を立ててみましょう。
各会員から3分程で感想を聞き、次の3分で質疑応答をしました。
会員 1
最初は、畠中恵さんの「しゃばけ」に似ているような気がした。よく読んでみると人情物だった。
屋敷神が見える特殊能力はおもしろい。普段から超能力が使える、ということで話が作れる。
登場人物の名前が難しくなかなか覚えられなかった。
もっと人情物に傾いてくれたらおもしろかったかも。
どこまであわら温泉の地名や名所をもりこんだのか。色が変わる湖やリゾートホテルはないかも…
会員 2
前回初めて参加したが楽しくて、今日の読書会を楽しみに待ってた。
課題本がおもしろくて4巻まで読んでしまった。
神様、幽霊が出てくる作品は好きで楽しく読めるが、この本の神様にも性格や個性があり存在意義があった。
表紙が中高生向けのタッチなので、読書会の課題本でなければ手に取らなかった。
エピソードはテンポがよく、主人公の恋物語と絡めて進んでいく。読者があわら市の町人になったような目線でミツルを応援する気持ちになり、心地よかった。
日本酒の説明がくどくなく、説得力があり、美味しそう。素人でも興味がわく説明。酒屋さんを見ると暖簾をくぐって、黒龍があるかどんな店員さんがいるか見たくなる。
こんなにおもしろい小説を書く地元の作家さんがいらっしゃるのを知って、大変良かった。
悪人が出てこない。
会員 3
はじめはおもしろいと思わなかったが、読んでいくと楽しい作品だと思い、作者が女性、だと強く感じた。
芦原温泉の風景を思い浮かべながら読んだ。
福井の方言がなかなか出てこなかったが、「はよしねま」を強く出すために福井弁を封印していた?
女将さんを継ぐ人は大変だと思う。
会員 4
最初の感想は、「読みやすい本だなぁ」。灰汁がなく読みやすい。
原田マハさんのような作品に雰囲気が似ている。
登場人物のキャラが薄い?もう少し掘り下げても良いのでは。主要人物二人がくっつくのかな?と思いきゃくっつかない。
有賀さんが一番印象に残った。最後熱い経営者の顔が出てきた。一番よく書かれている。自分が営業の仕事をしていた時の記憶が蘇る。
作家としての言葉のセンス、表現力がすごい。「やっぱりプロは違う」と感じた。
会員 5
すごくおもしろくてハマった。2、3巻も買って読んだ。
地元あわらのことが描かれており、松島水族館のことかな?金津創作の森のことかな?と想像でき、読んでいて楽しくなる。
あまりにも福井のことが出てきたので、普段本を読まない母に勧めたところ、「面白い面白い」と3巻まで読んでしまった。本を苦手な人にも読ませてしまう作家の力量がすごい。
主人公寿ミツルが代々酒屋をやっているように、自分も自営業を亡くなった父から継いだ。父から継いだお店を自分の色に変えていくことが10年かけてやっとできてきた。お店をやっていくことの大変さや屋敷神とのつきあい方を自分の経験と置き換えて読んだ。
有賀のホスピタリティの考え方に共感。
会員 6
選書した雑感として。地元福井県の作家作品を選んだことが数回あり、昨年FM福井の番組で紹介されていた。福井新聞でも取り上げられていた。
福井の女性作家として柔らかい表現や落ち着いた文体が好きで、読書会の課題として色んな感想が出てくるのではないかと思い選んだ。
登場人物の誰に感情移入するかで感想が大きく変わるのではないか、と感じる。
会員全員の感想、その感想についての質疑応答を終え、次に雑談形式で深化をはかりました。
●登場人物の名前が覚えづらい
→最近のラノベの名前はみんなそう
●表紙の絵を見ると有賀さんが若い
●女性陣には好評、男性陣は物足りない
●あわら温泉の栄枯盛衰を知っていると旅館の浮き沈みがリアルに分かる
→双葉亭は開花亭?
●屋敷神の特徴があんまり出てこない
→物語が進んでいくと出てくる?
●架空の話の中に現実にある名前、地名を入れると文章が閉まる
●池波正太郎のエッセイを何度も読むが文体が面白い。自分に合う文体、合わない文体があると思う
●事件と恋愛のバランス
→男性と女性の見方?性差別はいけないが…
●「読みやすさ」は読み手の問題?
→言葉のチョイス
→見立てや比喩
●1巻は一番面白い?
→3巻連続刊行は面白さの証!
●編集者の差?
●匡くんの神社は三国神社?から始まる地名論争
●酒と神様と男と恋愛
●ワインと天使のちょっと良い関係
●日本と酒と神様
●結局宗教の話にもっていく
●屋敷神はあなたの隣にいます
●あしわら湖と湖鳥温泉と屋敷神
●有賀さんのオカルト嫌いは伏線ですよね…
●嫌いにさせないキャラの書き方
→頑固一徹
●「真実」や「フィクション」の書き方
→光の当て方で変わる
●気になる三角関係
●気になった人は次巻買うべし!!
→面白いよ~
●文体の重要部分は文末ではないか?
●なぜか突然池波正太郎推し
●わたし、やっぱり福井が好き!
→どこの都道府県の人でもお国自慢は下手なもの
●日本酒談義
●突然はじまるコロンボ談義
今日のまとめ
「海外作品の人物も覚えづらいが日本の作品でもそう変わらない」
「2、3巻目もすっごい面白い!!」
時節柄、かなり短い時間で閉会とし、読書会お開きとなりました。参加された会員の皆様、お疲れさまでした。
次回40回福井読書感想交換会は、令和2年6月3日(水)19:00から。
課題図書は、宗田理著「ぼくらの七日間戦争」(角川文庫)を取り上げます。
ずっこけシリーズでおなじみ宋田理さんの作品。ぼくらのシリーズ第一作目。子供向けと侮れず、序盤から日大全共闘が出てくる骨太の作品。
映画版は某女優さんの可愛さが際だつ作品でしたが、さて小説はどんな風に読まれるんでしょうか?
時節柄健康に気をつけ、読書ライフをお楽しみください。
課題図書は、桑島かおり著「ことぶき酒店御用聞き物語」(光文社キャラ文庫)。
福井読書感想交換会の名物企画、福井ご当地作家作品を読もうの回。
女性らしい文体と、会員がなんとなく覚えがある地名やお店が作中に出てきて読書熱を加速させたようです。
さて、どのような感想が出てくるのでしょうか、聞き耳を立ててみましょう。
各会員から3分程で感想を聞き、次の3分で質疑応答をしました。
会員 1
最初は、畠中恵さんの「しゃばけ」に似ているような気がした。よく読んでみると人情物だった。
屋敷神が見える特殊能力はおもしろい。普段から超能力が使える、ということで話が作れる。
登場人物の名前が難しくなかなか覚えられなかった。
もっと人情物に傾いてくれたらおもしろかったかも。
どこまであわら温泉の地名や名所をもりこんだのか。色が変わる湖やリゾートホテルはないかも…
会員 2
前回初めて参加したが楽しくて、今日の読書会を楽しみに待ってた。
課題本がおもしろくて4巻まで読んでしまった。
神様、幽霊が出てくる作品は好きで楽しく読めるが、この本の神様にも性格や個性があり存在意義があった。
表紙が中高生向けのタッチなので、読書会の課題本でなければ手に取らなかった。
エピソードはテンポがよく、主人公の恋物語と絡めて進んでいく。読者があわら市の町人になったような目線でミツルを応援する気持ちになり、心地よかった。
日本酒の説明がくどくなく、説得力があり、美味しそう。素人でも興味がわく説明。酒屋さんを見ると暖簾をくぐって、黒龍があるかどんな店員さんがいるか見たくなる。
こんなにおもしろい小説を書く地元の作家さんがいらっしゃるのを知って、大変良かった。
悪人が出てこない。
会員 3
はじめはおもしろいと思わなかったが、読んでいくと楽しい作品だと思い、作者が女性、だと強く感じた。
芦原温泉の風景を思い浮かべながら読んだ。
福井の方言がなかなか出てこなかったが、「はよしねま」を強く出すために福井弁を封印していた?
女将さんを継ぐ人は大変だと思う。
会員 4
最初の感想は、「読みやすい本だなぁ」。灰汁がなく読みやすい。
原田マハさんのような作品に雰囲気が似ている。
登場人物のキャラが薄い?もう少し掘り下げても良いのでは。主要人物二人がくっつくのかな?と思いきゃくっつかない。
有賀さんが一番印象に残った。最後熱い経営者の顔が出てきた。一番よく書かれている。自分が営業の仕事をしていた時の記憶が蘇る。
作家としての言葉のセンス、表現力がすごい。「やっぱりプロは違う」と感じた。
会員 5
すごくおもしろくてハマった。2、3巻も買って読んだ。
地元あわらのことが描かれており、松島水族館のことかな?金津創作の森のことかな?と想像でき、読んでいて楽しくなる。
あまりにも福井のことが出てきたので、普段本を読まない母に勧めたところ、「面白い面白い」と3巻まで読んでしまった。本を苦手な人にも読ませてしまう作家の力量がすごい。
主人公寿ミツルが代々酒屋をやっているように、自分も自営業を亡くなった父から継いだ。父から継いだお店を自分の色に変えていくことが10年かけてやっとできてきた。お店をやっていくことの大変さや屋敷神とのつきあい方を自分の経験と置き換えて読んだ。
有賀のホスピタリティの考え方に共感。
会員 6
選書した雑感として。地元福井県の作家作品を選んだことが数回あり、昨年FM福井の番組で紹介されていた。福井新聞でも取り上げられていた。
福井の女性作家として柔らかい表現や落ち着いた文体が好きで、読書会の課題として色んな感想が出てくるのではないかと思い選んだ。
登場人物の誰に感情移入するかで感想が大きく変わるのではないか、と感じる。
会員全員の感想、その感想についての質疑応答を終え、次に雑談形式で深化をはかりました。
●登場人物の名前が覚えづらい
→最近のラノベの名前はみんなそう
●表紙の絵を見ると有賀さんが若い
●女性陣には好評、男性陣は物足りない
●あわら温泉の栄枯盛衰を知っていると旅館の浮き沈みがリアルに分かる
→双葉亭は開花亭?
●屋敷神の特徴があんまり出てこない
→物語が進んでいくと出てくる?
●架空の話の中に現実にある名前、地名を入れると文章が閉まる
●池波正太郎のエッセイを何度も読むが文体が面白い。自分に合う文体、合わない文体があると思う
●事件と恋愛のバランス
→男性と女性の見方?性差別はいけないが…
●「読みやすさ」は読み手の問題?
→言葉のチョイス
→見立てや比喩
●1巻は一番面白い?
→3巻連続刊行は面白さの証!
●編集者の差?
●匡くんの神社は三国神社?から始まる地名論争
●酒と神様と男と恋愛
●ワインと天使のちょっと良い関係
●日本と酒と神様
●結局宗教の話にもっていく
●屋敷神はあなたの隣にいます
●あしわら湖と湖鳥温泉と屋敷神
●有賀さんのオカルト嫌いは伏線ですよね…
●嫌いにさせないキャラの書き方
→頑固一徹
●「真実」や「フィクション」の書き方
→光の当て方で変わる
●気になる三角関係
●気になった人は次巻買うべし!!
→面白いよ~
●文体の重要部分は文末ではないか?
●なぜか突然池波正太郎推し
●わたし、やっぱり福井が好き!
→どこの都道府県の人でもお国自慢は下手なもの
●日本酒談義
●突然はじまるコロンボ談義
今日のまとめ
「海外作品の人物も覚えづらいが日本の作品でもそう変わらない」
「2、3巻目もすっごい面白い!!」
時節柄、かなり短い時間で閉会とし、読書会お開きとなりました。参加された会員の皆様、お疲れさまでした。
次回40回福井読書感想交換会は、令和2年6月3日(水)19:00から。
課題図書は、宗田理著「ぼくらの七日間戦争」(角川文庫)を取り上げます。
ずっこけシリーズでおなじみ宋田理さんの作品。ぼくらのシリーズ第一作目。子供向けと侮れず、序盤から日大全共闘が出てくる骨太の作品。
映画版は某女優さんの可愛さが際だつ作品でしたが、さて小説はどんな風に読まれるんでしょうか?
時節柄健康に気をつけ、読書ライフをお楽しみください。
