第二十四回読書会が平成29年9月27日(水)午後7時から、よつばCafeで行われました。
今回の課題図書は、岩崎夏海著「もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら」です。
読書会初の実用書!会員の皆さんはどのように読まれたのでしょうか?
●読書会 19:15~
推薦者の推薦ポイント
営利目的団体ではない、ボランティア団体ですらない「野球部」にマネジメントを落とし込んだのが、おもしろい狙いだった。取っつきやすい文章でドラッカー初心者に向けた入門編としてちょうど良かったのではないか。
同作家の「まずいラーメン屋はどこへ消えた?」(小学館101新書)で作品の裏話を書いているのでまた深く読みたい時は参考にされると良い。
ドラッカーの「真摯であれ」という一番のポイントがよく現れていていい内容だった。
会始まって初の実用書、進め方も手探りなので雑談形式で進行しました。
・実際に甲子園へ応援に行ったことがあるが、すごく大変
・定年になったので組織論はしばらく語りたくなかった
・ドラッカーを読みたいか?いや、読みたくないはず!
→読まなければいけない人の入門書としては価値がある
・実用書は読んだ機会が少なかった
→自分の進路を含めて自己目標の管理を考えたい
・生活に落とし込める本だった
・高校生の時にテニス部の部長をしていて、とても共感できた
・ソフトボール部でキャプテンをやっている時に読んでいたらよかった
・福井読書会はリア充の集まりか(笑)
・実用書を毛嫌いしていた
・野球のルールを知らないのが辛かった
→最後の感動的と思えるシーンもよく分からなかった
・小説じゃないなと思った
・高校生が読むと夢がなくなる
→ここまで実際の管理をされると辛い
・組織マネジメントと野球部マネージャーがくっついていてわかり易さがある
・真摯さとは何か?
・物語の流れとしては王道な作品と思う
・ノーバントノーボール作戦の技術にふみこんだ所はキモ?必要?
・あだち充の『タッチ』を元に書いた
→40、50代向けの作品!?
・編集者とタイアップして書く
・死の間際の表現がリアル
・それはそうとして、若い人はなぜ長編を読まないのか?最初さえ我慢すれば読めるのに
→若い人は時間無いんです。
・ドラッカーに感情移入した
・読書会の顧客とは→参加者か?
・組織の定義付け→読書の楽しみを伝える、知らない事が分かる、知識の探求?
・結果中心の会社運営
・みなみちゃんが他の選手を説得する手法がすごい
・来年、再来年にはマネジメントの手法が通用するのか?
今日のまとめは、「日本人にお勧めなのはドラッカーより渋沢栄一!!義理人情の方が読み易い」でした。
また渋沢栄一も課題図書に上がる日がくるのか?乞うご期待、といったところで今日の課題図書の意見交換を終了いたしました。
20:40~
会員のみなさんがそれぞれのオススメ本を紹介しあいました。
今回のテーマは「私が一番好きな本」。だったんですが……、どうやらみなさん告知を読んでいなかったみたいで。
思い思いのオススメ本となりました。
○コナン・ドイル著「シャーロックホームズ 緋色の研究」
シャーロックホームズ最初の事件。ミステリ好きなら一度は通る道?
○清水潔・瀬木比呂志の対談「裁判所の正体」(新潮社)
「文庫X」、「殺人犯はそこにいる」の清水潔と「絶望の裁判所」の瀬木比呂志が三日かけて対談した内容を綴った、日本の裁判システム。
日本では捕まったら終わり?裁判と「警察」のシステム。原発差し止め判決を出した裁判官は左遷させられた?他人事ではない裁判所の中身について考えさせられる一冊
○菊池寛著「入れ札」
代官を斬り殺した国定忠次が信州追分へ落ちる途中のお話。主人公は手下の一人「九郎助」。周りから兄貴扱いされているものの裏へ回ると軽んじられている。目立たないよう、忠次が手下を三人へ減らすためみんなで入れ札、選挙によって決めることとなった。掟をやぶって自分の名前を書いて入札した九郎助に待っていた運命とは。
○長野まゆみ「魚たちの離宮」(河出文庫)
○長野まゆみ「天体議会」
多分長野まゆみは、音の連なりや、情景を楽しむ作品であって、あらすじなんてないに等しいんだと思いました。
わたしが好きだった描写は、南に旅立つオートマータの少年が、万華鏡(カレイドスコープ)の中に、水連と銅貨の身に着けてる物を欲しがるシーンです。
その人の無事の航海を祈って、身に付けてる物を、万華鏡の中に入れるようです。それを覗くのは、万華鏡の持主だけのようで、水連は、ネクタイピンかな、銅貨は鉱石の欠けらだったかな。それを入れるシーンです。
それを貰ったオートマータの少年は、南行きの船に乗り込んで行くんですが、この少年は恐らく死者なんですね。
それを銅貨は、兄のあおいに、少年は南に行ったことを告げるんですが、恐らく死んでいるか、人形だと気づいている兄は、そんなはずはないだろう、と鼻で笑うんです。
このシーンが好きです。
(推薦者感想文)
ここで時間となりました。参加した皆様お疲れさまでした。
次回25回読書会は、2017年11月29日(水)午後7時から9時まで、よつばカフェで行います。
課題図書は、岩井志麻子著「ぼっけえ、きょうてえ」に収録されている表題作「ぼっけえ、きょうてえ」です。
また、本との出会いをオススメする紹介本のお題は11月の読書会にぴったりな「冬に読みたい一冊」「冬、雪がテーマの本」です。
以上、星を読む会主催第24回福井読書会でした。