これが昭和の頃であれば、たとえ自分に非があったとしても証拠となるものがなかったとなれば言い逃れもできたかもしれません。特に深夜早朝の人通りが極端に少ない時間帯に起きたとなると目撃者が皆無に近い訳ですから、第三者が判断を下すのは容易ではなかったと思うのです。KTV▶︎”自転車同士”で衝突 ひき逃げ疑いで58歳会社員逮捕 「信号無視」原因で衝突か #trafficlip
— TraffiClip-交通時象社 (@trafficlip) September 29, 2020
今月26日、大阪府吹田市で自転車同士が衝突し男性が意識不明の重体になった事故で、警察は58歳の男をひき逃げの疑いで逮捕しました。 https://t.co/Nu2Bka1VYA
勿論、非があれば素直に罰を受けるべきですが、自動車やバイクと違って表立って警察を介入できない頃のものとなれば相手を発見できずに泣き寝入りも相当あったと思います。
ところが現代は小型携帯端末の登場により眼の前で起きたことが逐一記録できる様になりました。それによって煽り運転に対する新たな罰則が誕生するなどした訳です。
然し乍ら、こと自転車となると果たして何処まで装備を搭載できているか判りません。況してや走行中のイヤホンや携帯端末を見る行為が違反にあたりますし、たとえ搭載していたとしても其れが逆に価値を生み出してしまい、眼を付けられた挙げ句に自転車ごと盗難に遭う可能性もある訳です。
この報道記事では核心部分に至るものが乏しく、おそらく双方に動画を記録できる装備が搭載されていなかったと思われます。勿論、一時は意識不明状態になってしまった男性としては大いに憤っているでしょうが、確証となるものがないとなると判断が難しくなるんです。
まず基本的に交通法規を守っていれば自転車同士がぶつかることは有り得ません。どちらかが左側通行を無視した場合のみ衝突するのですから、いったいどちらが左側通行を無視していたのかが判らないと先が見えてきません。
ひき逃げをした側が救護しなかったことが問題であったとしても、もし男性側が左側通行をしていなかったとなれば一概に責めることはできない筈です。
やはり昼夜問わず交差点に差し掛かる際には徐行して安全を確認するしか事故を避ける術はないでしょうね。本当に何があるか判りませんから。勿論、夕方以降及び深夜早朝であればライトを点灯させて自分の存在を周囲に知らせることも必要です。
どれだけ自分が視力が良くて相手が見えていたとしても相手から自分が見えているとは限らないですし、たとえ僅かな灯りでも其れがあることによって互いの距離感を掴めるのですから無灯火は絶対にやっては駄目なんです。
そもそも自転車のライト点灯の目的が前を照らすなんて5%にも満たず、95%以上は自分の存在を知らせることなんですから。