AIR2019 招待アーティスト
ニナ クロックナー・宮地 幸
水の壁
これは壁です。壁はあちらとこちらを隔てますが、二つの空間は壁をとおしてつながってもいます。強固に立ちはだかる壁、もろく両側から支えながらようやく立つプライバシーを守る壁、私たちは私たちを取り巻く事象との折り合いをつけるため、様々な表情の壁を整えながら、間合いを取りながら同時にあちら側に想いをよせ ている。
そんなことを考えながら、私たちは2022年、3年前の袋田病院における 在制作の経験をもとに7つの壁の作品を作りました。
この壁はその1つ、水についての壁です。
青系色の使い古した布団のカバーをたくさん集め、程よい幅に下から順々に編んでいきました。
作業をしながら手伝ってくれた友人やボランティアの方々に、私たちが袋田病院滞在中に経験した水にまつわる話をしました。
自転車で袋田病院に通った道沿いの久慈川には、いつも釣り人がものすごく長い釣り具を握ったまま、まるで彫刻のように立っている話、袋田のはまさに水の壁である話、そば作りと水の話、米作りと水の話、お茶作りと水話、温泉にりんごを入れる話、台風で町が浸水し病院が断水になった話、台風を経験して絆が深まった話、水もまた私たちを隔てもするしつなげてもくれます。
この水の壁の向こう側にアムステルダムの船着場が見えてくるかもしれません。
制作年 2022年
材料 古布、ロープ、砂留め金具
サイズ: 5メートル、横12メートル
作者 ニナ グロックナー、 宮地
協力 スーサンさん、ソフィーさん、古布を提供してくれた方々、リサイクショップの方々、作業を手伝ってくださった方々、駐日オランダ大使館バスさん、ザンヌさん、 Mondriaan Fund
この作品はオランダ、アムステルダムの展覧会場 Beautiful Distress Houseで2022年に行われた 展覧会 「There Is No Better Me」 にて制作され展示されました。
※画像を文字化しています、誤字脱字・文字間の空き等あります。ご容赦願います(ブログ管理者)
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