おそばが好きの方のなかには、「十割そば以外はそばじゃない」という方もいるようです。確かにいいそば粉が使われていて、しかも腕のいい(と思われる)職人さんが打った十割そばは美味しいと感じます。一方で、ほとんどのおそば屋さんなどでは、「つなぎ」を使ったおそばが主流で、そば粉の割合は多くて9割。少ないと2~3割といったものもあるようです。
(表示は「干しそば」です)
それらのおそばを「そばではない」と否定する意見もあるようではあるのですが。
気楽に食べられ庶民的なお値段で売られているおそばの原材料をみますと、「そば粉より小麦粉の方が多い」という状況だったりします。確かに価格を安くするために、ある意味「水増し」でつなぎを使う場合もあると思うのですが、実際はそうでもないと思うのです。
「二八そば(そば粉8割、つなぎ2割)」とか「九一そば(そば粉9割、つなぎ1割)」とかというメニューもあり、私なんかは実際に食べてみても、十割そばも二八そばも正直なところ違いがほとんどわかりません。それに、十割だから絶対美味しいということもなく、要するに食べてみての人それぞれの好みであるということだと思います。
そもそも、つなぎというのは、そのものずばり、おそばをつなぐためのもの。よく使われる小麦粉は粘りのもととなるグルテンを含んでいて、めん状にしやすいそうです。しかし、そば粉にはグルテンが入っていないため、めん状のそば切りとして作るために小麦粉がつなぎとして使われるようになったようです。江戸時代にそば切りがでてきたころから小麦粉が使われていたようです。
高級なおそば屋さんにあるような「更科(さらしな)系(そばの実を挽いたときに最初にでてくる一番粉を使用したおそば)」は、そば粉に粘りがなく、つなぎをよく使っているようです。
また、一般的に「田舎そば」と呼ばれるおそばには、そば殻(から)を入れていますのです、それで黒っぽく、いかにもおそばらしく感じられるものです。また、田舎そばが多い地域でもつなぎに山芋などを使うこともあります。
つなぎを使うようになった理由は、おそばを打ちやすくするためだけではないようでして、いわゆる、のどごしをよくするためにも使われているようです。それに、つなぎに小麦粉を使えば、のびにくいそばになるという効果もあるそうです。駅そばなど早く提供できる立ち食いそば店などでは、注文ごとに生めんをゆでていては間に合わないため、おそばをゆで置きにして対応していたりします。そこに小麦粉をつなぎに使ったおそばを、ゆで置きにしておけば、のびていない状態で提供することができるのです。
もちろん、そば粉100%の十割そばはおそば屋さんの腕の見せ所であり、それはそれで、ある意味おそばの完全体で美味しいと思います。ですが、たとえば機械製めんした7割そばであっても、ゆで置きされた立ち食いそば店のおそばも、それぞれが違う美味しさがあります。
結局、いろいろなおそばのなかから自分が美味しいと思うおそばを楽しめればいいと、信州のそば好きとして思います。
本日も私のブログを読んでいただき、ありがとうございます。
今日はどのような一日になるのでしょうか。または、どのような一日を過ごされたのでしょうか。
その一日でほんの少しでも楽しいことがあれば、それを記憶にとどめるように努力しませんか。そして、それをあとで想いだすと、その日が明るくなる、それが元気の源になってくれるでしょう。
それを見つけるために、楽しいこと探しをしてみてください。昨日よりも、ほんの少しでも、いい一日でありますようにと、お祈りいたしております。
また、明日、ここで、お会いしましょう。