政治の話ばかりですと、なんだか先行きが暗くなるような感じですので、気分を変えて「日本の明るい未来」につながるような話題ということで・・・。
「小型月着陸実証機 SLIM(=スリム:Smart Lander for Investigating Moon)」とは、日本の航空宇宙開発政策を担う宇宙航空研究開発機構(Japan Aerospace exploration Agency = JAXA)による日本の無人月面探査機・着陸機。
そのミッションは、世界初となる「月面ピンポイント着陸」を実証すること。メディアでは、「ムーンスナイパー」とも呼ばれています。かっこいい呼び名です。
高さ約2.4m、重さは燃料を除き約200kg。H-IIAロケット47号機で2023年9月7日に鹿児島県種子島宇宙センターから打ち上げられ、2024年1月20日に日本初となる月面への軟着陸を達成し、かつ史上初となるピンポイント着陸(目標誤差100m以内で、実際には誤差55m)に成功。
誤差100mと言っても、地球から約38万kmも離れた場所へ着陸するという高精度な技術。このことによって、探査の質を高めることができるほか、火星衛星探査、月極域探査など次世代の探査計画に技術活用できるというもの。
2023年
9月7日:種子島宇宙センターからH-IIAロケット47号機で打ち上げ
9月14日:探査機の機能の健全性を確認し、地球周回運用期間に移行
10月4日:地球を公転する月の重力を利用して軌道を変更する月スイングバイを実施
12月5日:SLIMの月面着陸を2024年1月20日未明に実施すると発表
12月25日:近月点で高度600km、遠月点で高度4000kmの楕円を描く月周回軌道投入に成功
2024年
1月14日:着陸降下準備フェーズ開始。高度600kmの円軌道に移行
1月17日:高度約600×150kmの楕円軌道に投入
1月19日:高度約600×15kmの楕円軌道に投入
1月20日0時ころ (JST):高度15km から降下を開始、約20分後に月の「神酒の海」へ着陸(着陸は目標より約55mのズレ)。ただ、当初予定していた姿勢とは異なる姿勢で着陸していることが考えられ、太陽電池から電力供給できないことから、バッテリー過放電を避けるため残量12%の時点で電源をオフ
1月28日:SLIM運用再開。着陸時の姿勢異常で発電できなかった太陽電池パネルが、太陽の向きが変わって稼働し始めたとみられる。バッテリーもなくなり中断していた月面での鉱物観測も実施。探査機との通信を確立し、特殊カメラによる岩石などの撮影も再開。数日間の運用を計画
1月31日:予定していた作業を終え、太陽光が当たらなくなり休眠状態へ。SLIMは月の夜の低温に耐える設計ではないため、再び太陽光の当たる約1ヶ月後には復活する可能性は高くないとした
2月25日:SLIMとの通信を再開。氷点下170℃の月面での夜を耐えて、太陽電池パネルに光が当たって発電を再開
3月1日:月面の日没になり休眠
3月27日:通信が再開し、2度目の越夜に成功。切り離していたバッテリーや温度センサーの一部に不具合を確認
3月30日:月面が日没を迎えて休眠。度重なる越夜で機能が失われつつあるため、以降は月の環境にいつまで耐えられるかを確認する形で運用
4月23日:通信が再開し、3度目の越夜に成功。主要機能は維持
4月29日:休眠
5月24日:機体周辺の日照が回復し、地上からの通信を試みたが応答なし
6月27日:応答なし
7月25日:6回目の越夜後の通信を試みたが応答なし
8月23日:再度通信を試みたが応答なし。そのため、今後、通信復旧の見込みはないと判断し、SLIMの月面での運用を終了
当初は着陸から数日で運用を終える予定で、越夜を想定した設計ではなかったにもかかわらず、2月、3月、4月の3回にわたって越夜に成功。5月以降も通信を試みたものの、応答はなく8月23日に活動を停止させる信号を送った。
大半の機器が設計で想定した期間を超えており、壊れた可能性があるという。
搭載した特殊なカメラを使って、当初の想定を超える10個の岩石の組成を調べ、月地下のマントル由来の鉱物を観測、月の起源の解明につながる手がかりなど成果を得ました。
今回の着陸で日本は旧ソ連、米国、中国、インドに次いで月面への軟着陸に成功した世界で5ヶ国目の国となった。
JAXAは早ければ2024年中にも調査結果を発表する予定。
プロジェクトチームはX(旧ツイッター)で、
「SLIMは多くの新たな知見を我々にもたらしてくれました。打ち上げた当時はまさかここまで運用が続くとは誰も想像していませんでした。これまでSLIMを応援いただきましてありがとうございました」
と投稿。
本日も、拙文最後までお読みいただきありがとうございます。
今日という日がみなさまにとって、よい一日になりますように。
また、明日、ここで、お会いしましょう。それではごめんください。
「小型月着陸実証機 SLIM(=スリム:Smart Lander for Investigating Moon)」とは、日本の航空宇宙開発政策を担う宇宙航空研究開発機構(Japan Aerospace exploration Agency = JAXA)による日本の無人月面探査機・着陸機。
そのミッションは、世界初となる「月面ピンポイント着陸」を実証すること。メディアでは、「ムーンスナイパー」とも呼ばれています。かっこいい呼び名です。
高さ約2.4m、重さは燃料を除き約200kg。H-IIAロケット47号機で2023年9月7日に鹿児島県種子島宇宙センターから打ち上げられ、2024年1月20日に日本初となる月面への軟着陸を達成し、かつ史上初となるピンポイント着陸(目標誤差100m以内で、実際には誤差55m)に成功。
誤差100mと言っても、地球から約38万kmも離れた場所へ着陸するという高精度な技術。このことによって、探査の質を高めることができるほか、火星衛星探査、月極域探査など次世代の探査計画に技術活用できるというもの。
2023年
9月7日:種子島宇宙センターからH-IIAロケット47号機で打ち上げ
9月14日:探査機の機能の健全性を確認し、地球周回運用期間に移行
10月4日:地球を公転する月の重力を利用して軌道を変更する月スイングバイを実施
12月5日:SLIMの月面着陸を2024年1月20日未明に実施すると発表
12月25日:近月点で高度600km、遠月点で高度4000kmの楕円を描く月周回軌道投入に成功
2024年
1月14日:着陸降下準備フェーズ開始。高度600kmの円軌道に移行
1月17日:高度約600×150kmの楕円軌道に投入
1月19日:高度約600×15kmの楕円軌道に投入
1月20日0時ころ (JST):高度15km から降下を開始、約20分後に月の「神酒の海」へ着陸(着陸は目標より約55mのズレ)。ただ、当初予定していた姿勢とは異なる姿勢で着陸していることが考えられ、太陽電池から電力供給できないことから、バッテリー過放電を避けるため残量12%の時点で電源をオフ
1月28日:SLIM運用再開。着陸時の姿勢異常で発電できなかった太陽電池パネルが、太陽の向きが変わって稼働し始めたとみられる。バッテリーもなくなり中断していた月面での鉱物観測も実施。探査機との通信を確立し、特殊カメラによる岩石などの撮影も再開。数日間の運用を計画
1月31日:予定していた作業を終え、太陽光が当たらなくなり休眠状態へ。SLIMは月の夜の低温に耐える設計ではないため、再び太陽光の当たる約1ヶ月後には復活する可能性は高くないとした
2月25日:SLIMとの通信を再開。氷点下170℃の月面での夜を耐えて、太陽電池パネルに光が当たって発電を再開
3月1日:月面の日没になり休眠
3月27日:通信が再開し、2度目の越夜に成功。切り離していたバッテリーや温度センサーの一部に不具合を確認
3月30日:月面が日没を迎えて休眠。度重なる越夜で機能が失われつつあるため、以降は月の環境にいつまで耐えられるかを確認する形で運用
4月23日:通信が再開し、3度目の越夜に成功。主要機能は維持
4月29日:休眠
5月24日:機体周辺の日照が回復し、地上からの通信を試みたが応答なし
6月27日:応答なし
7月25日:6回目の越夜後の通信を試みたが応答なし
8月23日:再度通信を試みたが応答なし。そのため、今後、通信復旧の見込みはないと判断し、SLIMの月面での運用を終了
当初は着陸から数日で運用を終える予定で、越夜を想定した設計ではなかったにもかかわらず、2月、3月、4月の3回にわたって越夜に成功。5月以降も通信を試みたものの、応答はなく8月23日に活動を停止させる信号を送った。
大半の機器が設計で想定した期間を超えており、壊れた可能性があるという。
搭載した特殊なカメラを使って、当初の想定を超える10個の岩石の組成を調べ、月地下のマントル由来の鉱物を観測、月の起源の解明につながる手がかりなど成果を得ました。
今回の着陸で日本は旧ソ連、米国、中国、インドに次いで月面への軟着陸に成功した世界で5ヶ国目の国となった。
JAXAは早ければ2024年中にも調査結果を発表する予定。
プロジェクトチームはX(旧ツイッター)で、
「SLIMは多くの新たな知見を我々にもたらしてくれました。打ち上げた当時はまさかここまで運用が続くとは誰も想像していませんでした。これまでSLIMを応援いただきましてありがとうございました」
と投稿。
本日も、拙文最後までお読みいただきありがとうございます。
今日という日がみなさまにとって、よい一日になりますように。
また、明日、ここで、お会いしましょう。それではごめんください。