「自粛」と「要請」が繰り返されている日本。新型コロナウイルスの影響で、世の中のいろいろなルールが変わってきたりしています。
欧米での対応は、「外出禁止命令」と「罰則」による都市の「ロックダウン」という、「法のルール」です。一方の日本では、「命令」も「罰則」も「ロックダウン」もない、「日本式」ともいえる、「緊急事態宣言」に基づく「外出自粛」と「休業要請」でした。あえて比較するならば、「周囲(世間)の圧力」という「世間のルール」のように思えます。是非はともかく(個人的には「非」の方が強い)、ウイルスとともに猛威を振るっている「〇〇警察」というものが、その代表的なものだったのかもしれません。
さて、新型コロナウイルスの感染拡大に伴って2020年シーズンのメジャーリーグベースボール(MLB)のマイナー・リーグは全試合中止となりましたが、2021年5月の第1週を目標に開催される予定となっています。ただし、チームの総数は160から120に削減されてしまいました。
開催に先立ち、MLBはマイナー・リーグにおけるルールとシステムの変更を発表しています。将来的にはメジャーでの導入を前提にした実験的な試みです。
以前、自動判定(ロボット審判)について、2015年12月7日(https://blog.goo.ne.jp/full-count/e/975e2e7c0af9e3079fa84f42e76a4c62)と、2020年2月(https://blog.goo.ne.jp/full-count/e/3b70534b1048a851d5e5034ef3955c2c)に書きましたが、1Aサウスイースト・リーグではストライクとボールの自動判定システムが採用されることになりました。
自動判定は弾道測定のレーダーシステム「TrackMan」の技術を使ってすでに独立リーグで行われていますが、MLBでもこれを実現する方向となってきました。ただし、独立リーグでは落ちる球に関して、選手から不満の声があげられており、まだ改善すべき点はあるようです。
このほかに、各カテゴリーで「インプレーと守備機会、走塁機会の増加と選手のケガの削減」を目的にして、たとえば、3Aでは現在15インチ×15インチ(約38cm)の一塁ベース~三塁ベースを18インチ×18インチ(約46cm)に拡大することになりました。ただ、塁間がほんのわずかに短くなることになりますので、微妙なプレーは多くなるようにも思えます。
また2Aでは内野のダート(土)の部分にファースト、セカンド、サードとショートの4人の野手がいることが守備の条件となり、二塁ベースを中心にしてどちらかに3人以上守ることが禁止されます。これは極端な守備シフトを不可能にするルールで、メジャーで定番となっている守備位置変更をさせないことによってヒットを増やそうという目的のようです。
さらに、1Aでは、「左投手が一塁にけん制球を投げる場合でもプレートから完全に軸足を外すことが必要」「ランナーが1人の場合には、バッター1人との対戦時、けん制球は2回まで。3回投げてもいいがセーフだった場合にはボークとする」といった部分のルールに改正されています。これは試合時間削減と盗塁機会の増加を目的にしているもののようです。
なお、独立リーグ「アトランティックリーグ」では今シーズンも新たなルールが試行されることになっています。
新たに試行されるのは、先発投手が交代した時点で指名打者(DH)が解除される「ダブルフックDH」というものです。
ダブルフックDHとは、先発投手が交代したところでDH制が自動的に解除され、DHの打順に投手が入るというものです。これは、先発投手に長いイニングを投げさせ、なおかつ先発投手が打席に立たないことで不必要なケガを防ぐ目的として、さらにはDHがない状況での選手交代など、采配も楽しめるなどの効果を狙っているそうです。
一番の驚きは、18.44mとなっている投手とホームの距離を、後半戦から18.75mに変更するというものです。
野球界では1893年に基本的なルールが決まってから、投本間は18.44mとされています。しかし、近年では球速160km/hを超える投手が当たり前になり、また、選手の体格も当時と比較すると、身長が約10.2cmも高くなっており、これらの影響で三振の数が増えていることへの対応とのことです。
今シーズンの前半戦は18.44mで実施し、後半戦を18.75mで実施し、効果を比較、検証するそうです。
独立リーグで試行されたルールが、MLBマイナー・リーグで検証され、メジャーで導入されているルールには、投手に3人のバッターとの対戦を義務付ける「ワンポイント・リリーフ禁止」などがあります。よって、今回のルール変更内容も将来的にはメジャーで採用される可能性が高いでしょう。
特に、投本間の距離が変更され、国際ルールとなった場合には、日本やアジアの野球界に与える影響は計り知れないことでしょうね。
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