第85回 全国高等学校野球選手権記念大会 千葉県予選 二回戦 京葉工業高 vs. 浦安南高。
この年、浦安南高は7年ぶりの夏の大会出場だったそうです。しかも、実は野球部員が6人しかいなかったため、不足部員5人をサッカー部に頼んでの出場でした。だから、全体練習が出来たのは2週間だけだったそうです。
そんな事情もあり、浦安南高は毎回得点を許し、四回を終わって0-22と大差をつけられてしまいます。
コールド負けが迫ってきた浦安南高5回表の攻撃。
2アウトランナーなし。あとアウト1つで試合終了という場面で、ピンチヒッター送られたのはサッカー部の子(らしい)。彼はこの打席でセンター前ヒットを放ち出塁します。
次のバッターの際に京葉工業高のキャッチャーがボールを逸らし、ここで盗塁を試みた一塁ランナーは二塁をオーバーランしてしまい、タッチアウトとなって試合は終了。
点差も実力も関係ありません。
ましてや、野球部ではなくサッカー部からの助っ人の子。
それでも、ピンチヒッターでヒットを放ち、一つでも先の塁へと進もうというその姿。
どうでしょう?
もし、自分が同じ立場だったら、どれだけ一所懸命出来るのでしょうか?
また、本来の野球部員であったとしても、どれだけ一所懸命走るのでしょうか?
最後まで諦めず、皆の思いを背負って駆け抜けるひたむきなプレーだと考えます。
高校野球が好きで、球場に観戦に来るいろんな方がいます。
好きだからこそ、ついつい力が入った厳しい声援を掛けてしまうのだと思います。