さて、昨日の「ルールを知らない野球部員(実はサッカー部からの借り物部員)」の千葉・浦安南高。その後も部員不足に悩まされ続け、2年前の夏の県大会で22年ぶりとなる勝利を挙げるも、部員は9人を割り続け、今年の春季大会も組み合わせが決まっていながら人数が揃わずに不戦敗でした。過去には夏の県大会の開会式で入場行進の際、テレビカメラに向かって手を振りながら行進したことが高野連から問題視されたこともあったそうです。
しかし、今年の春から選手時代に甲子園出場経験のある監督が就任し、現在、野球部は大変身を遂げているそうです。
野球部監督に就任したのは白鳥了監督。白鳥監督は千葉・習志野高で2001年夏に甲子園出場。二回戦の高知・明徳義塾高戦では決勝の2ランホームランを放っています。国際武道大卒業後に教員となって、千葉・市川南高で5年間野球部の監督を務め、昨年の4月に異動で浦安南高に赴任しました。そして、まずは1年間、野球部長の立場で部員たちと接することになります。
赴任当初は「校舎内の廊下をバイクが走っているなんて噂もあった」と気になっていたそうです。
でも、実際は、そんなことはなく、ちゃんと座って授業を受けて、若くてモチベーションの高い先生たちが熱心に生徒指導をしていたそうで、変な先入観はなくなったそうです。
でも、野球部員は練習でも制服のままキャッチボールをしたり、髪の毛が長かったりという状態だあり、練習に出てこない部員もいたそうです。そして、今年4月に監督に就任すると、まずは「ひとつのことを徹底できる力を身につけよう」ということで、「あいさつ」「全力疾走」「バックアップ」をちゃんと出来るようにすることを目標にしました。また、同時に岩手・一関一高で東北大会優勝経験のある鈴木浩部長が赴任し、指導体制が強化されたこともあって、ようやく他校に練習試合を申し込める状態になりました。
その練習試合では昨秋の県大会にも出場した強豪との試合で、4-0、13-8で連勝。別の高校との試合では0-11から一挙8点を返し、相手の監督から「これがあの浦安南ですか?」とまで言われたそうです。
白鳥監督によると「今のチームは打ち出すと止まらない。乗れるきっかけさえつかめれば、ですけどね。3、4点取られても、5、6点取ればいいんです」とのことで、練習も打撃練習が中心なんだそうです。
現チームは二年生が5人、一年生が6人で、三年生はマネジャーの2人だけで選手は0。白鳥監督は「来年の夏も、というよりは今年の秋ですかね。浦安南が助っ人を頼まないで、野球部だけの単独チームで秋の大会に出るのは、過去になかったことだと思うので」。
来年、第100回大会となる夏の選手権大会は10年に一度の記念大会であり、千葉県からは2校、出場出来ます。ですから、甲子園への可能性は広がります。
白鳥監督は「入場行進の事件のときは高野連に苦情が入ったそうですね。今も入場行進の練習は欠かさずやるようにしています」とのことです。その練習の成果が見られるといいですよね。