日本政府は先日、新型コロナウイルスの感染拡大が続く東京都に対して、4度目となる「緊急事態宣言」を発令することを決めました。これは、2021年7月11日までの「まん延防止等重点措置」を切り替え、期限は7月12日~8月22日までです。3度目の緊急事態宣言解除から、わずか3週間での宣言再発令となります。
つまり、7月23日開幕のオリンピック・東京大会は緊急事態宣言下での開催になります。これこそ、史上初の試みとなるものです。
そして、東京都と埼玉県、神奈川県、千葉県の首都圏1都3県の会場は無観客で開催する方針も決まりました。
すでに海外からの観戦者の受け入れを中止しており、今回は日本国内の観戦チケット約360万枚のうち、首都圏分が無観客となります。ただし、首都圏以外にも静岡県、茨城県、福島県、宮城県と北海道は、現状、無観客にはなっていません(7月9日深夜に、北海道も無観客との報道ありました)。
新型コロナウイルス感染の重要対策は、「人の流れを徹底的に抑制すること」と、日本政府、各自治体や関係者は繰り返し、そう呼びかけてきています。それを考えますと、ある程度の効果はあると思いますが、逆に各地域においては人の流れが増えかねない状態になりかねないと思います。人出を極力なくすためには、全会場の無観客化を目指すべきだと考えますし、国際オリンピック委員会(IOC)委員やスポンサー関係者の観戦を別枠扱いで容認するという発想が理解できません。
日本政府は自国民に感染対策への協力、というよりも、自国民にガマンを強いる一方で、感染状況の一層の悪化につながりかねない巨大イベントになぜ固執するのか、まったく納得感を得られるような説明はできていないと感じます。
首相は2021年7月8日の記者会見でも、安心安全の根拠を示せず、ただ単に開催意義について、「世界が一つになれることを、全人類の努力と英知によって難局を乗り越えていけることを東京から発信したい」と強調したのみです。
日本政府のいう、「安心安全」が保証される状況どころか、今さらながら、「人類がコロナに打ち勝つ証(あかし)」というキャッチフレーズすらどこかへ行ってしまったです。
これでは緊急事態宣言を繰り返す都度に、抱き続けてきた不信不満が4度目の緊急事態宣言発令でさらに大きくなりかねません。これが日本ならまだしも、海外の国によっては暴動が起きても不思議ではありません。
2度目の緊急事態宣言は、「勝負の3週間」の実効性が見られないまま、感染再拡大が指摘される中で解除に踏み切り、再発令。3度目の緊急事態宣言解除に際しては、「何よりも警戒するのは大きなリバウンドだ」と強調したものの、3週間で再発令と、過去の対策の甘さに対して何の対策もせず判断を誤り続けているとしか考えられません。
日本政府が新型コロナウイルス感染対策の切り札として、「とにかくワクチン」と頼むワクチン接種は、「1日100万人」「7月の高齢者終了」「11月の全希望者完了」を掲げ、自治体に接種体制の強化を求めていました。そして、オリンピック開幕までに感染者数の減少につなげるつもりだったはずなのに、オリンピックを目前にワクチンの供給不足が発覚し、新規予約停止に追い込まれた自治体、職場接種も休止が相次ぐ深刻な状態といってもいいかもしれません。
緊急事態宣言対象地域ではお酒類を提供する飲食店に休業を要請し、まん延防止措置の対象地域ではお酒類提供を原則禁止。ただし、これまで要請に応じないお店も多く、真面目に対応してきているお店では、経営が厳しいのに協力金の支給が遅れ、金額も不十分だという。
お念仏はご利益がありそうですが、日本政府のいう「安心安全」なというお念仏は一向ありがたみがありません。そもそも、「安心安全」の後につつく言葉が「オリンピック」だからだと思います。
私たちが望んでいるのは「安心安全な日常生活」なのです。
でも、今回、残念ではあるものの1つだけいいことだと思ったのは、首都圏の競技が無観客になって、私のチケットが払い戻しになること。
この資金で、美味しいものを買って、「安心安全な自宅」で「オリンピックTV観戦」できることを決断させてくれたことは、皮肉を込めて、「ありがとう」といえるかもしれません。
今日も、私のブログにお越しいただいてありがとうございます。
今日がみなさんにとって、穏やかで優しい一日になりますように。そして、今日みなさんが、ふと笑顔になる瞬間、笑顔で過ごせるときがありますように。
どうぞ、お元気お過ごしください。また、明日、ここで、お会いしましょう。