振り逃げは、野球において、キャッチャーが第3ストライクを宣告された投球を正規に捕球できなかった場合に、三振でアウトになることを免れたバッターが一塁への進塁を試みるプレーです。
ただし、このプレーには成立条件があります。
一塁にランナーがいない、または2アウトの状況で、第3ストライクをキャッチャーが正規に捕球できなかった場合のみです。
先日の二軍試合でノーアウト一・二塁の場面でタイガースの江越選手が第3ストライクを空振りし、守るドラゴンズのキャッチャー桂選手がパスボールしてしまった場面で、スタンドのおじさんから「えごしー。走らなあかんで。何をしとるん。はよ、一塁へ走れやー。このど○ほ!」とヤジが飛んでいましたが、これは振り逃げが成立しない場面ですので、おじさんもアウトです。
ちなみに、このおじさんの名誉回復ために一言追加しておきますと、次の江越選手の打席で「えごしー。すまんなあ。さっきのはおまえが正しい。かんにんやー」と素直に(?)謝っていました。
2015年5月19日に北九州市民球場で行われた福岡ソフトバンクホークス対オリックスバファローズの七回表バファローズの攻撃え2アウトランナーなしの場面。
バファローズのバッター駿太選手に対してホークスのピッチャー五十嵐選手が1ボール2ストライクから投げたワンバウンドのボールをスイングすると、ボールは球審に当たり後ろにそれ、キャッチャーの高谷選手はボールを見失い、その間に駿太選手は三塁まで進塁するというプレーがありました。
その5日後の5月24日(現地時間23日)のコロラド・ロッキーズ対サンフランシスコ・ジャイアンツ戦のダブルヘッダーの第一試合ではジャイアンツのブランコ選手が空振りした低めの投球をキャッチャーが後逸。ボールを素早く拾い、ファーストに投げましたが、送球は一塁手のはるか頭上を超え、ボールがファウルゾーンを転々とする間にブランコ選手は三塁まで進むというプレーがありました。
これぞ、まさしく「振り逃げ三進」ですね。
1960年7月19日に駒澤野球場で行われた東映フライヤーズ(現;北海道日本ハムファイターズ)対毎日大映オリオンズ(現;千葉ロッテマリーンズ)戦。フライヤーズが3-1でリードしていた八回表2アウトの場面で、オリオンズのバッター山内和弘さんが3ボール2ストライクから見逃しの三振となります。しかし、フライヤーズのキャッチャーがパスボールをしていたのですが、選手はチェンジだと思い、ベンチに引き揚げていました。しかし、山内選手は誰もいないダイヤモンドを一周し、満塁走者一掃の振り逃げ三振となりました。
2007年7月28日に横浜スタジアムで行われた高校野球神奈川大会準決勝・東海大相模高校対横浜高校。
四回表に東海大相模高は3点を先制、なお2アウト一・三塁。バッターは2ボール2ストライクからピッチャーが投球のショートバウンドをハーフスイング。球審が一塁塁審に確認し、塁審がスイングと判定し、主審が右手を挙げました。
この球審のジェスチャーを「三振でバッターアウト・スリーアウトチェンジ」と勘違いした横浜高の守備陣はベンチに引き揚げます。
三振を取られた東海大相模高のバッターは打席を少し出かけていましたが、ベンチからの「走れ」という指示を受けて一塁に走り、ランナーも誰もいないダイヤモンドを駆け抜け、これも走者一掃の振り逃げとなりました。
試合は終盤に横浜高が追い上げるものの、6-4で東海大相模高が勝利し、決勝進出を決めました。
ちなみに、この東海大相模高のバッターは現;読売ジャイアンツの菅野智之選手です。
コメント一覧
まっくろくろすけ
eco坊主
最新の画像もっと見る
最近の「プロ野球」カテゴリーもっと見る
最近の記事
カテゴリー
バックナンバー
人気記事