野球小僧

延長引き分け

私のブログにお越しいただいてありがとうございます。新型コロナウイルスによってお亡くなりになった方々のご冥福をお祈りするとともに、罹患された皆様に心よりお見舞い申し上げます。

また、日々新型コロナウイルスと戦っている医療関係など、私たちの命と生活を守るために働いてくださっている関係者の方々に、心からの敬意と感謝いたします。

どうか、みなさまとご家族、関係者の方がご健康であっていただければと思っております。1日でも早く流行が終息の方向に向かうことを願っております。

全国への緊急事態宣言が解除され、プロ野球の開幕が6月19日に予定されると発表がありました。

ただ、当面はオープン戦の途中からのように無観客で行われることとなり、移動のリスクなどを軽減するルールが適用されることになります。また、新型コロナウイルス対策連絡会議で専門家チームから、選手は運動とストレスで一時的に体力や免疫が低下し、心身の負担が考えられることから、負担軽減への特別ルールの適用が必要と提言されています。

その中で、リーグ別に一極集中し、移動を最小限にすることと、延長回数制限または試合時間制限するための特別ルールが挙げられています。

そもそも、プロ野球は試合時間が長すぎるという声が以前から挙がっており、試合時間短縮施策が毎年のように取りざたされています。試合時間が長くなる理由としては、イニングの間隔や、攻守の入れ替わりに時間がかかっているということが挙げられます。

9回の試合のみの平均時間
2010年:平均3時間18分
2011年:平均3時間8分
2012年:平均3時間10分
2019年:平均3時間16分

ちなみに、高校野球の試合時間の平均は2時間~2時間半となっています。高校生の試合は攻守交代のときも走って素早く移動する上に、複雑すぎるサイン交換も少ないため試合時間がプロよりも短い傾向にあると考えていいでしょう。

現在、プロ野球では延長時には時間制限がなく、「最大12回制」となっていますが、セントラル・リーグでは1974年~1982年、パシフィック・リーグは1974年~1987年に試合開始から3時間を超えて新しい回に入らないとする規定がありました。

引き分け試合といえば、1988年10月19日に川崎球場でダブルヘッダーにより行われたパ・リーグ、ロッテオリオンズ vs. 近鉄バファローズの試合があります。この日の試合はバファローズが連勝すればリーグ優勝が決定し、1つでも敗れるか引き分けるかで西武ライオンズの優勝が決定するという状況でした。

第1試合(15時試合開始)
オリオンズが初回裏に愛甲猛さんの2ランホームランで先制。一方のバファローズは、5回表に鈴木貴久さんのホームランで1点を返す。7回裏にオリオンズが2アウト一・三塁から佐藤健一さんのタイムリー2ベースで1点を追加、再び2点差とする。バファローズは、8回表の1アウト一・二塁としたところで、代打・村上隆行さんが2点タイムリー2ベースを放ち3-3の同点に追いつく。

当時のパ・リーグは、「ダブルヘッダー第1試合は延長戦なし。9回で試合打ち切り」という規定があったため、バファローズは9回表に勝ち越さなければライオンズの優勝が決まる状況でした。

その9回表1アウト、淡口憲治さんが2ベースヒットで出塁。ここでオリオンズはリリーフの牛島和彦さんに交代。続くバファローズの鈴木さんがライト前にヒットを放ち、二塁ランナーは三本間に挟まれアウト。2アウト二塁となる。

ここでバファローズは梨田昌孝さんが代打で出場し、センター前にヒットを放つ。二塁ランナーの鈴木さんは三塁を回り本塁へ突入し、クロスプレイとなるも生還、バファローズが勝ち越す。生還した鈴木さんは両手を広げて飛び出したヘッドコーチの中西太さんに飛び込み、二人は抱き合ったまま倒れ込んで喜びます。梨田さんは、二塁ベース上で現役最初で最後のガッツポーズを見せました。

9回裏、バファローズはノーアウト一塁の場面で、2日前の試合で9回完投し128球を投げていた阿波野秀幸さんがリリーフ。2アウト満塁のピンチを迎えるが最後にはオリオンズ打線を抑え込み試合終了。

試合時間は3時間21分。近鉄の勝利により、優勝の行方は130試合目である第2試合に持ち越されることとなりました。

近鉄 000010021|4
ロッテ200000100|3

第2試合(18時44分開始)
当時のパ・リーグは(9回で打ち切りとなるダブルヘッダー第1試合を除き)9回終了時点で同点の場合、最大12回までの延長戦を行うとしていたが、「試合開始から4時間を経過した場合は、そのイニング終了をもって打ち切り(ただし、8回完了前に4時間を経過した場合は、9回終了まで続行)」という規定もなされていました。

この試合は、ストライクの判定を巡りバファローズ監督の仰木彬さんやヘッドコーチの中西さんがベンチから飛び出し抗議するなど、また、1回裏にオリオンズの佐藤さんへのデッドボールでの治療にも時間が掛かり、球場内に不穏な空気が漂いながら試合は進んで行きました。

試合はオリオンズが2回裏にビル・マドロックさんのホームランで1点先制。追うバファローズは6回表2アウト一・二塁からベン・オグリビーさんタイムリーヒットで同点に追いつく。続く7回表には、1アウトから吹石さん、2アウトから真喜志さんのホームランで2点を勝ち越す。一方、オリオンズも7回裏、岡部明一さんのホームランと西村徳文さんのタイムリーヒットで同点に追いつく。

追いつかれたバファローズは8回表1アウトからブライアントさんがホームランを放ち4-3とし再びリードを奪う。勝ち越したバファローズは8回裏から第1試合に続いて阿波野さんを起用。しかし、1アウトからオリオンズの高沢秀昭さんホームランを放ち4-4の同点。

9回表、バファローズは無得点。9回裏、オリオンズはノーアウト一・二塁とする。ここで阿波野さんは二塁へ牽制球を投じたが高めに浮き、セカンドの大石大二郎さんが三塁寄り方向にジャンプして捕球。その体勢のまま、二塁ランナーと交錯し、二塁塁審は触球の際、二塁ランナーの足がベースから離れていたとしてアウトを宣告。このプレーに対してオリオンズの監督の有藤通世さんはベンチを飛び出して、「故意に押し出した」と走塁妨害を主張します。

この抗議の時点で試合時間は3時間30分を超過。バファローズベンチから仰木さんが飛び出し有藤さんに迫り、スタンドからも罵声や怒号が飛び交うなど騒然とする中、有藤さんの抗議は9分間に及びました。後年、仰木さんは、有藤さんの抗議を「信義に悖るものだった」と振り返っており、対する有藤さんは、初回の佐藤さんへのデッドボールが抗議の伏線であり、「仰木監督が佐藤に謝るどころか、『もう休め』と言ったことがきっかけで、仰木の人間性を疑った」と語っています。

結局判定は覆らず試合再開となり、この回無得点に終わったため延長戦に突入しました。

延長10回表、バファローズの攻撃は先頭のブライアントさんが出塁。代走に安達俊也さん。続くオグリビーさんは三振で1アウト。続く羽田耕一さんはセカンドゴロ・ダブルプレーとなり、バファローズの攻撃は終了。この時、時刻は22時41分、試合開始から3時間57分が経過していた。

次の延長回がなくなる4時間まで残り3分で10回裏のオリオンズの攻撃を終わらせることは事実上不可能だったが、バファローズナインは10回裏の守りに就く。マウンドに上がった加藤哲郎さんは投球練習を省略し、少しでも試合を早く進めようとする。

時刻は22時44分。この瞬間にライオンズの4年連続リーグ優勝が決まる。

しかし、オリオンズの攻撃が残っており、試合は続き、バファローズはこの回の先頭バッターを出塁させてしまうものの0点に抑え、4-4の同点のまま22時56分、時間切れ引き分けで試合は終了。

仰木さんは最後までベンチ中央に立って指揮を執っていました。なお、この回は「悲劇の10回裏」と称されています。

近鉄 0000012100|4
ロッテ0100002100|4(延長10回・時間切れ引き分け)

最終順位
西武 73勝51敗6分 勝率.589(.5887)
近鉄 74勝52敗4分 勝率.587(.5873)

この後、時間制限や引き分け制度への議論が相次ぎ、パ・リーグでは4時間の時間制限が撤廃されました。セ・リーグは1990年から延長15回引き分け再試合制を導入し、2001年から延長は12回として引き分けを復活させます。その後、2011年〜2012年に東日本大震災による電力供給不足へ対応するための特別ルールとして、セ・パ共に時間制限が再導入されたこともありました。

新型コロナウイルスとの一戦には、引き分け試合は不要だと思うのですが。

♬最後には 笑えるように

日は沈んでも、また、今日も日が昇っています。たとえ、雲で隠れていたとしても。

最後には 笑えるよう、自分の歩むべき道を見つけることができるように、新しい朝を迎えたいと思います。

また、明日、ここで、お会いしましょう。

コメント一覧

まっくろくろすけ
eco坊主さん、こんばんは。

まさか、オリンピックまでの延長戦を考えているとは思えませんけど・・・。

まだ、日本政府にリリーフエースが残っているのか、代打の切り札が残っているのかはわかりませんが、ドラゴンズの投手陣のように、第2波にならないよう、完封勝ちに持ち込んで欲しいですよね、ね。
eco坊主
おはようございます。

最後の一文に尽きますね。
でも安倍さんは誰のために勝を狙っているのかわかりません。
マスクもだけど持続化給付金も事実なら本当に酷い!!!
基本、性善説の私ですが もう・・・

自分にできる事を徹底して行い、免疫力向上と感染拡大防止に努めます。
ここにお越しの皆様もどうかお気をつけください。
名前:
コメント:

※文字化け等の原因になりますので顔文字の投稿はお控えください。

コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

 

最新の画像もっと見る

最近の「プロ野球」カテゴリーもっと見る

最近の記事
バックナンバー
人気記事