今頃ですが、考えてみれば「あれ?」ということでした。2020年の東京オリンピックを控えて、競技復活する野球の日本代表監督就任が既定路線だったと思われる前・読売ジャイアンツ監督の原辰徳さんじゃなくて、稲葉篤紀が代表監督に就任していたのですね。
さて、球団史上初めてクライマツクスシリーズに出場した昨年に続き、今年もクライマックスシリーズ出場し、日本シリーズで福岡ダイエーホークスをあと一歩というところまで追いつめた横浜DeNAベイスターズ。外野から考えれば、就任2年間で2連連続してAクラス入りさせたラミレス監督の来期以降の契約は複数年でもいいように思えるのですが、なぜか1年契約というものでした。
2012年からチームを率いた中畑清前監督は、結果こそ残せなかったものの明るいキャラクターで絶大な人気を得ていました。その後を継いだラミレス監督は、采配面では文句なしで、日本シリーズにまで出場したものの「どうしてもインパクトに欠ける」というのが親会社の結論のようです。そこで、観客動員を急速に伸ばしている勢いを持続させるには、勝敗以上に注目度の高さが必要だと考えているという話で、次期監督の筆頭候補として原辰徳前読売ジャイアンツ監督を招聘しようということらしいです。
ただ、ジャイアンツの監督として7度もリーグ優勝し、2009年の第2回ワールドベースボールクラッシックでは世界一監督となった原さんは、いわば球界の頂点を極めた存在の方です。いくら地元神奈川県出身とはいえ、ジャイアンツ以外の監督を本当に引き受けるのかは、眉唾物ですが、いろんな背景があるようです。
まず、亡くなった原さんのお父さんは生前、「巨人以外でも監督をして、野球人としての器を大きくしろ」と言っていたそうです。そして、周囲が思うほど原さん自身には他球団で指揮を執ることに対して抵抗感はないとのことです。
二つ目が、原さんが2年前にジャイアンツの監督を退任した直後に、側近を通じてベイスターズに売り込みをかけていたという噂です。当時はすでにラミレス監督の就任が決まっていたので実現しませんでしたが、それほど監督という仕事にこだわっているようです。
三つめが読売グループのドンである渡邉恒雄主筆の了解ですが、渡邉さんはTBSがDeNAに球団を売却する際に仲介役を務め、その後、南場オーナーとも親交を深めていることもあり、特に拒む理由は見当たらないという話です。
王貞治さんの例もあり(読売ジャイアンツ監督→福岡ダイエーホークス監督)、実現性は高いと思います。また、親会社が代わったもののベイスターズでは1997年(2位に終わるものの契約終了に伴い、監督が大矢明彦さん→権藤博さんに交代)、2000年(優勝、3位、3位と安定した成績に終わるものの、監督が権藤博さん→森祇晶に交代)ということもあり、成績が良くても監督交代には支障はないという歴史があります。
原さんがベイスターズ監督になり、古巣ジャイアンツと対戦というのは、関東地区と鳥取県の一部ファンの間では盛り上がるような気がします。実現確率は70%くらいでしょうか。