「値下げ(ねさげ)」・・・今の時代、なんていい響きの3文字なのでしょう。
ただ、美味しい話には裏があるのも現実です。
日本放送協会(NHK)は2022年10月11日に「NHK経営計画(2021~2023年度)」の修正案を公開し、この中で、「過去最大規模」となる受信料の値下げを2023年10月から実施することを発表しています。
地上契約(月額):1225円 → 1100円
衛星契約(月額):2170円 → 1950円
NHKでは今回の受信料値下げについて、「経営努力によって生み出した繰越金」を活用し、約1500億円を充当すると説明しています。受信料の値下げは、2020年10月以来3年ぶりとのことですが、3年前も値下げしていたとは記憶にありませんが、いろいろなものが値上げされているこのご時世で、値下げはありがたいものです。
何かと話題になっているNHKの受信料ですが、広告料によって運営される民間放送局と違い、総務省が所管する特殊法人であるNHKは家庭ごとの受信料が設定されています。あくまでも「国営放送」ではなく、「公共放送」として定められている放送局なのですが、事業計画予算などは国会承認が必要な特殊法人のひとつです。その運営費用として集められるのが受信料ということになります。
現在の法律では受信料はNHKとの契約によって課され、NHKを観ない場合でも払わなければなりません。ここが、いろいろと問題視されています。
それはそうですよね。「観てもいないのに受信料を払わなければいけないのか」ですから。たとえば、映画館に入場して上映中に寝てしまっていて、「観ていないから、入場料返せ」とか、有料ネット動画サービス(決して怪しいものではなく、私の場合はDAZNのみ)も、「しばらく観ていないので、料金は払わない」というものとは違います(うまくたとえができていません)。
現時点での放送法では、第64条(旧32条)の中に、「協会の放送を受信することのできる受信設備を設置した者は、協会とその放送の受信についての契約をしなければならない」となっています。
この協会とはNHKのことです。つまり、NHKの放送が受信できるTVなどの設置が行なわれた段階で、法律上はNHKとの契約が義務付けられるということになります。つまり、電器店などでメーカーのTVは買ったものの、そこにはもれなく、「NHKとの契約ができますよキャンペーン」みたいなのがついてくるということになるのです(義務にはなっているようです)。
ただ、契約をしていても受信料を払わない場合の罰則が定められていないため、刑事事件になるようなことはないため(少なくても現時点では)、中途半端な感じなのです。つまり、TVが設置されている限り、NHKとの受信契約は義務化され、一方で受信料は義務化されていないのです。
でも、なかば受信料は強制的に徴収されてしまっているのですが、その理由は義務化されたNHKとの契約内容の中に、受信料を支払うという項目があるからです。契約が義務ですから、結果的に受信料の支払いに同意したことになり、契約したあと、受信料を払わないとNHKからの強制徴収が行なわれることになってしまいます。
なんだか、怪しい商売に似ているような・・・。
税金のように強制的に取り上げ・・・もとい、徴収はありませんが支払いが滞ってしまうと、法人対個人での民事裁判になる可能性も考えられるため、私的には滞納はおすすめしません。
支払いが滞っていると、どうやらNHKからの請求書が送られることになり、また電話での督促、地域スタッフによる訪問が行なわれるようです。そうした対応を無視して滞納を続けると、裁判所が「支払い督促」を発行するという。特に数年にわたって滞納した場合にその可能性が高くなるようです。
さらに「支払い督促」を受け取ったあとも滞納が続いた場合、最終策として行なわれるのが、「差し押さえ」の強行執行があるようです。差し押さえは、給与や銀行の預貯金から優先的に行なわれ、場合によっては不動産が競売されるといった強硬手段もあり得るようですので注意したほうがいいと考えます。
ちなみに、TVが壊れてしまったあと新しいTVを買わなかったり、TVを観なくなったためTVを処分してしまったりした場合には、もちろん解約できます。ただし、ワンセグ、カーナビやPCチューナー付きの機器を持っている場合には、解約の手続きが進みにくい場合もあるようですし、解約する状況をくわしく確認されたり、TV以外の受信機器の有無を細かく聞かれたりして、やり取りが長引く場合があるようです。
なんだか、怪しい商売に似ているような・・・。
そして、NHKは4月からTVがあるにもかかわらず、受信料を支払わない世帯に受信料の2倍の「割増金」を請求できるようになったそうです。総務省がNHK受信料規約の改定を認可する方針を固めたためです。
また、これまで曖昧だった受信料契約を結ぶ時期も、「TVを置いた月の翌々月の末日まで」と具体的に区切ります。これらは、現在8割程度の支払率を引き上げる狙いがあるとのことです。
やっぱりね・・・。
皆さまにとって、今日という日が昨日よりも特別ないい日でありますようにお祈りいたしております。
また、明日、ここで、お会いしましょう。それではごめんください。