「鳴かぬなら 殺してしまえ ホトトギス」 織田信長
「鳴かぬなら 鳴かせてみせよう ホトトギス」 豊臣秀吉
「鳴かぬなら 鳴くまで待とう ホトトギス」 徳川家康
一度は聴いたことがある歌だと思います。これは戦国武将末期の三人の天下人の性格を表現した歌です。
時代的に実際に本人たちが一堂に会して、この歌を詠んだとは思えません。この歌は江戸時代後期に書かれた随筆集「甲子夜話(かっしやわ)」に「鳴かないホトトギスを三人の天下人はどうするのか」として、詠み人知らずとして載せられています。
おそらく、この歌自体、江戸時代の中期~後期に詠まれたものでしょう。信長の強引さ、秀吉の積極性に対して、家康の忍耐強さを上手く表現した句ではないかと考えます。
余談ですが経営の神様と呼ばれたパナソニック創業者の松下幸之助も「鳴かぬなら・・・」をこう詠んでいます。
「鳴かぬなら それもまたよし ホトトギス」
さて、先日フィギュアスケートの2014年ソチオリンピック代表選考会で4位に終わり、代表入りを逃し引退を表明した織田信長の末裔・織田信成。
エキシビションでのプログラムは「ラストサムライ」だったのは、おそらく祖先を意識したものだったに違いないでしょう。
トリノオリンピック選考会では採点ミスにより代表を逃し、バンクーバーオリンピックでは靴ひもが切れたり、涙を流すシーンも多く報道されました。それもあってか、引退会見では次の歌を詠みました。
「鳴かぬなら 泣きに泣きます ホトトギス」
信成は祖先の信長と同じで天下統一(金メダル)することは出来ませんでした。織田一族の運命だったのかも知れません。