一時期、腕時計に凝ったことがありました。
最初に腕時計との出会い(買った・買ってもらった)は高校入学のとき。
その時、ちょうどSEIKOの腕時計のCMで甲斐バンドの楽曲の「ヒーロー」を使っていて、この歌のかっこよさもありました。その後、会社に入ってから、さらにいろんな時計を買ったものです。
もちろん、高級品とは一線を画し、安いものでちょっと変わったデザイン、ブランド名がついたもの、限定品を買っていました。
「ARC」というSEIKOのブレスレット型のもの。「マニエッティ・マレリ(Magneti Marelli Holding S.p.A.)」ブランドのものなどなど。
「佐藤琢磨モデル(SEIKO)」の限定品もあります。自分の中での一番の高級品は「タグ・ホイヤー アイルトン・セナ」モデルです。
ちょっと前はCASIOの「ProSTRECK」限定品を時々使っていましたが、今はG-SHOCK「GW-A1000 RAFモデル」を使っています。
さて、フランク・ミューラー。スイスの超高級腕時計です。一つ1000万円以上もします。
もちろん、香港の街角で「日本人? イイ腕時計アルヨ。チョット、ミニキテ」と声かけられるものとは天と地ほどの差があります。私も見栄で買おうと思えば買えます。ですが、買ったら最後、一生支払いに追い掛け回されること間違いありません。
先日、このフランク・ミュラーのパロディー商品名「フランク三浦」を商標登録できるかが争われた訴訟の上告審で、商標を有効とした2016年4月の知財高裁判決が確定しました。最高裁第一小法廷が、2日付の決定で「フランク・ミュラー」の商標権管理会社の上告を退けたものです。これで「フランク三浦」の名での時計販売が続けられることになりました。
「フランク三浦」は大阪市の会社が2012年に商標登録しており、ミュラー側の申し立てを受けた特許庁が「ミュラーへの『ただ乗り』だ」として商標を無効としたため、三浦側がこの判断の取り消しを求め、提訴していたものです。知財高裁判決は「呼称は似ているが、外観で明確に区別できる」と指摘。「三浦」の時計が4000~6000円程度であることも考慮し、「多くが100万円を超える高級腕時計と混同するとは到底考えられない」として特許庁の処分を取り消したものです。
私が持っている「フランク三浦」ご当地シリーズ「大阪府」版です。
ちょっと古い話ですが、元;東京ヤクルトスワローズの宮本慎也さん。2012年に2000本安打を達成し、その際、お祝いのお返しにとチームメイトに贈ったのは腕時計だったそうです。さすが、宮本さんです。
ここまでの話の流れだと贈った時計は当然「フランクミューラー」となるべきだと思われたでしょうが、その名は「フランク三浦」。
実はこの「フランク三浦」の社長はPL学園時代の宮本さんの同級生なのです。
これがスワローズ内で大ウケし、皆が愛用するようになり、チームはまとまって2012年は3位の好成績。
しかし、2013年、2014年と最下位に低迷し、チーム関係者の間からは、「これはフランク三浦の呪いでは!?」との声が出たそうです。
一時的にウケたとはいえ、確かに偽ブランド品というかパロディ品というかパチもんの負のオーラのせいで勝てないんじゃないか、と。でも、これで、晴れて疑いが晴れたこともあるから、堂々と行けることでしょう。
昔、偽ブランド品がウケていた時期があり、中国出張時に買ってきていた人もいますが(今は厳しく取りしまわれています)、私は偽ブランド品は自分を安くしているようであまり好きになれません。