なかなかできる行動ではないと思います。
米国の高校野球でミネソタ州のマウンズ・ヒュー高がトーティーノ=グレース高をリードし、勝利まであと1人に迫っていました。ピッチャーの左腕タイ・コーエン選手はバッターのジャック・コロン選手を2ストライクと追い込み、次の1球にバッターが手が出ず、見逃し三振で試合が終了。マウンズ・ヒュー高は州大会進出を決め、ベンチから一気にナインがマウンド上へなだれ込みました。
このシーンは日本の高校野球でもよく見られるシーンです。
ピッチャーのコーエン選手は駆け寄ってきたチームメイトのキャッチャーを避けて、バッターボックスに立ち尽くしたままのコロン選手に歩み寄りました。そして、お互いの健闘を称えあうようにがっちりと長い間、抱き合いました。歓声の中で、コーエン選手はコロン選手に別れるまで何か声をかけていました。マウンド上で喜ぶ選手たちとは、まるで別世界です。
さて、この勝利の瞬間にコーエン選手が取った行動が米国で話題となっています。念のために書いておきますが、2人は、そういう関係ではありません。2人は幼馴染で親友の関係だったそうです。
幼馴染で親友である2人が州大会進出をかけた試合の最後の1人として対峙し、必ず1人は敗れ、1人は勝者となる、何とも言えない場面ではありますが、そんな場面でもコーエン選手は仲間と歓喜を分かち合うより、親友を慰めることを選んだのです。
https://twitter.com/twitter/statuses/1006264953345576960
米スポーツ専門局「ESPN」など複数メディアが動画付きで公開。再生60万回を突破したESPNの返信欄ではファンから感動の声が殺到しているそうです。
「これは本物の友情、スポーツマンシップ、一流の行為が示されている」
「なんて素晴らしい友人だ」
「純然たる一流の行為」
「これぞスポーツ!!!」
「尊敬する」
「これは美しい!!!」
さらにMLB公式サイトの動画コーナー「Cut4」も「その瞬間、歩み寄ったのは、味方のもとではなかった。米国の高校野球、州大会進出をかけた一戦だった」とツイートし、動画を公開。「なんて素晴らしい少年だ」「偉大な物語」「よくやったピッチャー」など、感動の声が上がっています。
また、「全ての親はこの映像を観るべきだ」というコメントもあるそうです。
スポーツでは、時にして思いがけないシーンが見られます。それはプレーだけとは限りません。そして、それはいつ起こるかわかりません。だからこそ、私たちは無名な選手であっても、一挙手一投足を見逃さないように応援するのです。