Bブロック公式戦は、番狂わせや因縁対決があるものの、現在のブロックトップを走るのは現IWGP王者のケニー・オメガ選手。昨夜はテクニシャンSANADA選手との対決。ヒートアップした試合は、ケニー選手が強引なまでの片翼の天使で終止符を打ち、20分を超える一戦はIWGPヘビー級王者が全勝をキープしました。これにより、ケニー選手はBブロック唯一の5連勝で勝点10。G1開幕前に公言していた「全勝優勝」にまた一歩近づき、1995年の武藤敬司選手、2000年の佐々木健介選手に続く、史上3人目のIWGP王者のG1優勝へと邁進しています。
(このスコアシートは7月28日の結果は反映したものです)
2番手以下は混戦模様で、星の潰しあい。4勝1敗の勝点8の2番手は昨年度覇者の内藤哲也選手。IWGP王者ケニー選手には敗れたものの、現IWGP US王者ジュース・ロビンソン選手には快勝しています。1991年&1992年の蝶野正洋選手、2003年&2004年の天山広吉選手に続く史上3人目の2連覇を狙っていましたが、既に自力優勝はなくなっています。公式戦として8月8日のSANADA選手とのロス・インゴベルナブレス・デ・ハポン同士の対戦は見ものだと思います。
そのSANADA選手。3勝2敗の勝ち点6で優勝争いから一歩後退してしまいましたが、このG1で一番光っている戦いを見せていると思います。今までは、どちらかというとタッグ選手の感じでしたが、IWGP挑戦以降、シングル選手としても一皮むけ、オーソドックスなテクニックと飛び技、切り返し技と勝ち方が豊富となって来ています。
同じく、勝点6で並んでいる飯伏幸太選手とザック・セイバーJr.選手。飯伏選手は何と言っても敏腕プロデューサー・矢野通選手からの1敗が、文字どおり痛くなっています。ザック選手のサブミッションは相変わらずどのような体制からでも決めてきます。ヘビー級選手相手に頑張っています。この2人は後半戦に白星を重ねてくると思います。
後藤洋央紀選手と石井智宏選手のCHAOS同門同士は勝点4。直接対決では意地と覚悟がムキ出しの対決で、客席を熱狂に包む死闘を繰り広げ、石井選手がNEVER無差別級王者の後藤選手から勝利をもぎ取っていますが、ほかの試合では対戦相手の盛り上げ役です。直接対決のような試合を後半戦では期待したいです。
さて、どうしたのか現IWGP US王者ジュース・ロビンソン選手。左手負傷というハンデを抱えているにせよ、ベルト保持者でありながらBブロック同率最下位の勝点2。1勝4連敗というふがいない結果はいかがなものかと。ベストな試合が出来ないようであれば、出場辞退という考えもあっていいのではないかと思います。
同じ勝点2には、もう2人。「日本大学」「レスリング」という、昨今のキーワードを持つ矢野通選手。G1開幕前の記者会見で「“フェアプレイ日大”の精神で、このG1をマジメに戦い抜く」と宣言していたものの、いつもの矢野選手ぶりが復活。飯伏選手との対戦では、日大仕込みの“悪質タックル”で唯一の勝ち星を挙げています。8月1日の内藤選手、8月4日のSANADA選手、8月8日のケニー選手との対戦を残しており、優勝争いのこの3選手に、何を仕掛けてくるのか敏腕プロデューサー。
タマ・トンガ選手。常にBULLET CLUBオリジナルメンバーによるBULLET CLUB OG(タンガ・ロア選手、バッドラック・ファレ選手)は、このG1中も公式戦、通常のタッグマッチを問わず、乱入劇を繰り返す狼藉を働き続け、試合を壊し続けています。
昨夜の内藤選手との一戦もBULLET CLUB OGの介入があり、試合後に内藤選手がG1で反則決着を乱発しているBULLET CLUB OGについて「ああいう選手を選んでしまう新日本が問題なんじゃないの?」と言っていますが、まさしくそのとおりだと思います。