第101回全国高等学校野球選手権の大会第3日目は一回戦4試合が行われました。
■第1試合
智辯和歌山高は4回裏、東妻選手のタイムリーヒットで先制。その後、同点を許すも、6回には東妻選手、池田選手、綾原選手のタイムリーヒットで3点を加え、勝ち越しに成功。投げては先発・池田選手が8回1失点の好投。敗れた米子東高は、チャンスを生かせず、33年ぶりの選手権大会で勝利とはなりませんでした。智辯和歌山高は選抜大会に続いて、初戦突破となりました。
米子東 000001000|1
智弁和歌山00010331x|8
■第2試合
明徳義塾高は4回表に奥野選手と今釘選手のタイムリーヒットで2点を先制。リードして迎えた6回には、今釘選手と正本選手のタイムリーヒットなどで4点を加え、リードを広げた。投げては、2番手・山田選手が無失点の好救援し、明徳義塾高が初戦を突破しました。敗れた藤蔭高は、明徳義塾高を上回る9安打を放つも、チャンスであと1本が出ませんでした。
明徳義塾000204000|6
藤蔭 000004000|4
■第3試合
国学院久我山高は2点リードされた3回表、岡田選手のタイムリーヒットなどで2点を挙げ、同点。その後、再びリードを奪われるも、7回に神山選手、宮崎選手、高下選手の3者連続タイムリーヒットで逆転に成功し、そのまま逃げ切り春夏つうじて甲子園初勝利となりました。敗れた前橋育英高は、3年連続の初戦突破とはなりませんでした。
国学院久我山002001310|7
前橋育英 110021000|5
■第4試合
敦賀気比高は5回表、御簗選手のタイムリーヒットなどで2点を挙げ、勝ち越しに成功。投げては、先発・笠島選手が9回1失点と100球で完投。敗れた富島高は、守備の乱れが失点につながり、甲子園初勝利とはなりませんでした。敦賀気比高は2015年以来の選手権初戦突破です。
敦賀気比000121010|5
富島 000100000|1
全国で15校しかない、第1回から地方大会に皆勤出場しているレジェンド校の米子東高。大正から令和の4元号にわたって甲子園に出場しています。
春夏連続出場で、選抜大会は部員16人でしたが、この選手権大会は一年生が入部して35人となりました。
甲子園に戻ってきたナインの頭は、きれいな五厘刈りで統一。森下選手は「監督にも反対されて、校長にも『時代にそぐわない』って言われたんですけど。だから監督にはそろえているけど、そろえていないって言っています」と笑いながら話し、五厘にしたきっかけとして「一年の時の三年生が、一年の時から大会前に始めたらしくて、そこからやり始めました」と説明しています。
森下選手は1日に自宅で五厘にし、他の選手も気合いを入れるため、自分の意思で同じ髪型にしました。しかし、監督や校長には反対されているため、あくまでも「たまたまです」とのことです。
さて、優勝候補の一角の智辯和歌山高に苦戦し、惜しくも28年ぶりの夏の甲子園で勝利することは出来なかった米子東高硬式野球部。その野球以上に苦戦したのが、夏休みの宿題です。
進学校としても知られる米子東高は夏休みになると、毎年のように大量の宿題が課されるそうです。選手たちは朝食を終えると、宿舎の一室に集まり、午前8時半から10時半までの2時間を勉強に費やしていました。数学や英語などの問題集を前に、険しい表情で頭を悩ませます。中には天井を見上げて放心したようにする選手の姿もあります。
野球部内でも特に勉強熱心だという遠藤選手の将来の夢は医者。志望校は国立大医学部。甲子園に来て、対戦相手が決まった直後ですが、勉強のときは気持ちを切り替えて臨んでいます。
紙本庸由監督は指導の中でよく普段の生活から野球をプレーするための精神を培うことの大切さを選手たちに説きます。
遠藤選手自身も、「勉強中に眠くなってしまっても怠けずに頑張ることで、試合の中でも我慢強さがつく」と話します。
高校野球は社会に出るための通過点です。ここで得たことをどう生かしていくかがこれからの課題です。明日からしっかりと前を向いて行って欲しいと思います。