第101回全国高等学校野球選手権の大会第4日目は一回戦4試合が行われました。
■第1試合
鳴門高は初回、藤中選手のタイムリー2ベースヒットで3点を先制。その後は5回表に、原田選手のタイムリーヒットなどで3点を加えると、8回には宮崎選手のタイムリー2ベースヒットで、ダメ押し追加点。鳴門高が2016年以来の選手権勝利となりました。敗れた花巻東高は投手陣が振るわず、4年ぶりの初戦突破はなりませんでした。
鳴門 301030021|10
花巻東000020011|4
■第2試合
仙台育英高は1点を追う3回裏、千葉選手、大栄選手、笹倉選手の3連続タイムリーヒットで4点を奪い逆転。その後も着実に追加点を挙げ、24安打20得点で勝利を収めました。敗れた飯山高は3回に2アウト二塁から大川選手のタイムリーヒットで先制するも、甲子園初出場初勝利はなりませんでした。
飯山 001000000|1
仙台育英004310120x|20
■第3試合
習志野高は1点ビハインドで迎えた9回表、角田選手のタイムリーヒットで同点に追いつく。続く延長10回に、1アウト二塁から和田選手のタイムリー2ベースヒットが飛び出し、勝ち越しに成功。投げては、2番手・飯塚選手が5回無失点の好救援で勝利しました。敗れた沖縄尚学高は、2度のリードを守りきれませんでした。
習志野 0101000011|5
沖縄尚学0003010000|4(延長10回)
■第4試合
鶴岡東高は2点ビハインドの5回表、河野選手と丸山選手のタイムリーヒットで3点を奪い逆転。2点リードで迎えた9回表には、竹花選手の2ランホームランでリードを広げ、鶴岡東高が二回戦進出。敗れた高松商高は、最終回に粘りを見せ、追い上げたものの及ばず、23年ぶりの選手権勝利とはなりませんでした。
鶴岡東000030012|6
高松商011000002|4
101回目を迎えた夏の甲子園で春夏初めての出場となる長野県代表・飯山高。堂々とした試合ぶりでした。
飯山高の道路を挟んだ向かい側に駄菓子屋・丁字屋さんがあります。丁子屋さんは以前は硬式野球部員もかよう、飯山高生徒の御用達でもある駄菓子屋さんですが、現在は硬式野球部員の姿はありません。
理由は、甘いもの禁止令によるものです。
今まで、足しげくかよっていた野球部員が来なくなってしまいましたが、女子マネージャーから「大会が終わったら、三年生全員で行きます」という手紙を丁子屋さんに渡したそうです。
丁字屋さんのおばあちゃんは飯山高の甲子園出場について、「うれしいです。夢のようだ。甲子園に行くなんてたまげた」と話しています。
さて、飯山高は飯山市内の3校が2016年に統合してできた学校。2007年に飯山南高と飯山照丘高が統合し、2014年に飯山北高も統合しました。
現在の校歌は2008年夏に新しく作られたものです。そのため、新しい校歌を歌える卒業生はまだそれほど多くありません。
甲子園出場が決まると学校には統合前の卒業生などから、「試合に勝って、新しい校歌をみんなで歌いたいので練習したい。CDなどはないか」という問い合わせが多かったそうです。しかし、応援団のバス手配などで手が回らず、個別に対応することは難しかったそうです。
そこで、地元の声楽家・山崎浩さんが講師をする地元の市民合唱団の練習に、飯山高校歌の合唱も取り入れました。練習日の7月29日夜に統合前の卒業生など約90人が集まり、楽譜を手に校歌の練習をしました。
山崎さんと奥さんはともに飯山北高の卒業生。飯山高の始業式などで流れる新校歌の音源を歌っています。もちろん、長野大会で飯山高が勝ち上がるたび球場に流れました。
峡(かい)の門(と)の南の方(かた)の
走り出のよろしき山は
懐かしき高社山(たかやしろやま)
やすらぎは母の膝(ひざ)なし
若き子をひたに迎へぬ
飯山高硬式野球と応援団のみなさん。
甲子園での勝利の校歌。勝利の校歌は聞くことが出来ませんでしたが、この夏の長野大会で流れ続けた校歌は、まぎれもない事実です。
胸を張って、飯山へ帰ってきてほしいと思います。
そして、三年生は丁子屋のおばあちゃんに、甲子園のお土産話をたくさんしてあげてください。