「西暦20XX年。サッカー・ワールドカップ開催中の中国で、致死率60%以上とされる強毒性新型インフルエンザが出現。東京都心でも感染者が見つかった。主人公で元;世界保健機関(WHO)感染症対策チームの日本人医師のアドバイスで、政府は都心と外部を結ぶ道路や鉄道網などを封鎖し、『人の行き来を遮断』する」
これは、2010年に発表された小説「首都感染」(高嶋哲夫さん著)です。
強毒性新型インフルエンザのパンデミック(世界的大流行)が起き、日本政府が感染拡大を防ぐため、東京都心を封鎖するというストーリーで、作品では、「航空機で帰国した人たちのホテルへの隔離」「学校の一斉休校」「人気遊園地の休園」などが描かれており、今回の新型コロナウイルス感染でも起こった内容が描かれています。
『人の行き来を遮断』するですが、3月23日に東京都の小池知事は、3月23日から3週間、イベントなど人が密集する空間への外出を控えるよう都民に呼びかけ、都内で爆発的患者急増(オーバーシュート)が認められた際には、東京都を封鎖する「ロックダウン」も検討しなければならない状況が出てくる可能性があることを懸念してのことです。
昨夜のニュースのトップは、「東京オリンピック延期」についてですが、直近の問題としては、このニュースの方がインパクトは大きいと思います(オリンピックの話は明日にします)。
私にはすぐにピンとはきませんが、すでに欧州や米国では、多くの都市で事実上の都市封鎖が行われています。もしも、本当に都市封鎖となれば、大変な混乱が起こることもあり得るでしょう。
考えられる規制としては、米国サンフランシスコ市。3月17日~4月7日まで「必要不可欠な用事」以外での外出禁止令が出ています。違反した場合には微罪処分を受ける可能性があります。
外出できるのは、「食料調達」「親戚や友人の世話」「必要な医療」「不可欠な仕事」であり、仕事は原則的にテレワークです。ただし、集団でなければ散歩やサイクリングも許されていますが、他の人とは1.8mの間隔を空けるように求められています。
ガソリンスタンド、薬局、食料品店、銀行、自動車修理、携帯電話ショップ、家電用品店などは一定の条件下で営業を認められていますが、レストラン、バー、ナイトクラブ、レジャースポット、ジムなどは営業できません。
さらに、「ループ活動」「パーティー」も禁止され、ネイルサロン、床屋での散髪も規制対象。もちろん、公共交通機関や自家用車による不必要な旅行もできません。
3月19日には、サンフランシスコ市があるカリフォルニア州全体に外出禁止令が出ました。さらにニューヨーク州、イリノイ州、コネティカット州でも同じく外出禁止令が出ています。
また、仮に首都封鎖とするならば、どこまでが範囲になるのでしょうか。首都圏整備法では、首都圏とは「東京都」のほかに「茨城県」「栃木県」「群馬県」「埼玉県」」「千葉県」「神奈川県」「山梨県」の1都7県と定義されています。ただ、東京都知事が言っているのですから、東京都だけだと考えられますが、小笠原村や八丈島町などまで含めるとは思えません。となりますと、23区が現実的ではないかと推測できます。
さらには、東京都心地域(千代田区、港区、中央区)と副都心地域(渋谷区、新宿区、豊島区)付近ということも考えられますが・・・。
さて、映画「踊る大捜査線 THE MOVIE 2」の名セリフ。主人公・青島俊作(織田裕二さん)の「レインボーブリッジ封鎖できません!」ではありませんが(結局は封鎖しちゃいましたが)、映画みたいなこと本当に起きてしまうことだけは、避けなければなりません。