3月13日に発表された2020年のF1開幕戦のF1第1戦オーストラリアGPについて、マクラーレンF1チームのスタッフに新型コロナウイルス感染者が出たことを受け、F1や国際自動車連盟(FIA)、参戦チームが開催可否を協議し、地元当局からも開催中止要請があったこともあり、公式セッション開始当日の開催2時間前に中止がアナウンスされました。
さらに、第2戦バーレーンGPと第3戦ベトナムGPの延期を発表。先に発表されていた第4戦中国GPの延期と合わせて開幕から4戦の中止・延期が決定しました。
もともと、第2戦バーレーンGPは無観客でのレースが予定されていたのですが、F1チームは3月いっぱいの隔離に合意したとされており、中止・延期は既定路線だったように思います。第3戦ベトナムGPは、2020年初開催のため、ハノイ市内にサーキットを新設し、完成させていましたが、結果的には延期です。
当初、F1は声明の中では5月末の開催を目指してとのことで、実質上、第5戦オランダGP、第6戦スペインGPも除外している感じでしたが、この2つのGPも延期を決定しました。そして、5月末の第7戦モナコGPについても延期を発表した直後、モナコGP主催者から中止が発表されてしまいました。
F1が中止になるのは2011年3月に第1戦として予定されていたバーレーンGPがバーレーン騒動によって延期・中止となって以来のことです。
現時点で中止と発表されているのはオーストラリアGPのみであり、バーレーンGP、ベトナムGP、中国GPは延期ですので、スケジュール変更して開催することを目指しているということなのでしょう。ただ、2020年は史上最多の22戦の過密スケジュールになっていますし、最終戦は11月末の予定ですから、まさかとは思うのですが、2020年~2021年にまたがって開催することにもなりかねません。
2020年2020年 F1世界戦選手権開催スケジュール(3月20日時点)
第1戦 オーストラリアGP(決勝:3月15日)… 中止
第2戦 バーレーンGP(決勝:3月22日)… 延期
第3戦 ベトナムGP(決勝:4月5日)… 延期
第4戦 中国GP(決勝4月19日)… 延期
第5戦 オランダGP(決勝:5月3日)… 延期
第6戦 スペインGP(決勝:5月10日)… 延期
第7戦 モナコGP(決勝:5月24日)… 中止
第8戦 アゼルバイジャンGP(決勝:6月7日)
第9戦 カナダGP(決勝:6月14日)
第10戦 フランスGP(決勝:6月28日)
第11戦 オーストリアGP(決勝:7月5日)
第12戦 イギリスGP(決勝:7月19日)
第13戦 ハンガリーGP(決勝:8月2日)
第14戦 ベルギーGP(決勝:8月30日)
第15戦 イタリアGP(決勝:9月6日)
第16戦 シンガポールGP(決勝:9月20日)
第17戦 ロシアGP(決勝:9月27日)
第18戦 日本GP(決勝:10月11日)
第19戦 アメリカGP(決勝:10月25日)
第20戦 メキシコGP(決勝:11月1日)
第21戦 ブラジルGP(決勝:11月15日)
第22戦 アブダビGP(決勝:11月29日)
ところで、今回のオーストラリアGP中止の発表は3月13日午前10時(日本時間9時)。内部的にはそれ以前(3月12日の夜)に中止が決定されていたらしく、フェラーリのセバスチャン・ベッテル選手とアルファロメオのキミ・ライコネン選手はすでに3月13日の午前6時発のフライトでオーストラリアを後にしていたというニュースもあります。
内部的には中止が決まっていたものの発表が遅れた理由は、大人の事情なのでしょう。この大人の事情というのは、何にでもついて回ってくるものです。
F1とFIA、そしてオーストラリアGPの開催場所であるビクトリア州政府の間で、これによる債務負担をどうするかという話し合いがあったのでしょう。中止になれば、常に正式に決定した側が責任を負うことになるからなのでしょう。巨大な金額を負うことは、誰も良しとしないですから。
ただ、中止を知らずに当日の朝に会場に来たファンは置いてきぼり。
まず、考えるべきことはファンのことだと思うのですけどね。