野球小僧

ルール変更

2021年12月に旧労使協定が失効して以降、米大リーグ(MLB)機構と同選手会の交渉が難航し、機構側は31年ぶりのロックアウト(施設などを一時閉鎖し、就業を拒否)に突入。ようやく労使交渉が終わり、新労使協定の締結に合意したのが2022年3月10日。3月31日に予定されていた2022年シーズンの開幕は1週間の遅れで4月7日になりました。

ロックアウト期間中には、「施設が使えない」というだけではなく、フリーエージェント選手は「契約を結ぶことはできず」、トレードも成立しません。菊池雄星選手(トロント・ブルージェイズ)や鈴木誠也選手(シカゴ・カブス)の契約先が決まらなかったのは、このためでした。また、基本的に球団に雇用された選手以外のすべての職員は、選手といかなるコミュニケーションも取ることができなくなります。大谷翔平選手(ロサンゼルス・エンゼルス)の通訳の水原一平さんはロックアウト中に球団職員を一時退職し、フリーの立場で大谷選手を今までどおりサポートをしていたのは、機転の利くサポートだったと思います(ロックアウト解除後に復職)。

今回の労使交渉の最大の争点だった「ぜいたく税」の課税ラインですが、MLBでは大都市球団と、地方の小都市球団で収入に大きな差があるため、球団の年俸総額に基準を設け、一定以上の年俸を支払う球団には「ぜいたく税」のような形で「税金」を課して、年俸総額の少ない球団などに分配することになっています。

このため、選手会側は「ぜいたく税が年俸総額に上限を設けるサラリーキャップの役目を果たし、球団は勝利のための投資を避けている」という不満を持っていました。最終的にはぜいたく税の課税ラインは2021年の2億1000万ドル(約231億円)から2022年・2億3000万ドル(約265億円)で毎年上昇していき、2026年には2億4400万ドル(約281億円)となりました。

また、選手会は「年俸調停前の若手の待遇改善」に関しても、最低年俸のアップ、ボーナスプール(各球団が資金を拠出し、メジャー経験3年未満の選手に対して活躍に応じて分配するもの)の導入を得ています。

お金の話が主な争点ではありましたが、ルールも一部変更になっており、「ルール変更のための通告期間をこれまでの1年前から45日前通告へ変更」というものから、「プレーオフ出場球団数は10球団から12球団」「タイブレーク廃止。ダブルヘッダーは9回制に戻す」というもののほかに、なんといっても「ナショナル・リーグでも指名打者(DH)制が実施」というものは大きな変化点ともいえるでしょう。

DH制はピッチャーが打席に立たない代わりに指名打者が打席に立つ制度で、昨シーズンまでMLBではアメリカン・リーグのみが採用していました。日本プロ野球機構(NPB)ではパシフィック・リーグが導入しています。

MLBが今回DH制を導入した理由は、大事な先発ピッチャーにバッティングや走塁でケガをしてほしくないからというもと、レギュラー選手を増やすというものだと思います。

NPBでも近年セントラル・リーグで読売ジャイアンツの原辰徳監督がDH制導入を熱心に訴えてきています。発端は、2020年の日本シリーズで福岡ソフトバンクホークスに2年連続4連敗した要因が、パ・リーグのDH制の優位性だったということだったとのことでした。ただ、このときには、「原監督の負け惜しみ」という感じで、他球団の反対により見送りになっています。

ただ、今回のナ・リーグのDH制導入はセ・リーグにとって間違いなく2022年オフの検討事項となることと思います(万が一にでもGが日本シリーズに出場して、パ・リーグ球団に惨敗すれば特にですが)。

それでも、NPBではMLBでのルール変更を数年以内に導入するのが過去にもありますので、近い将来セ・リーグでもDH制になるでしょう。セ・リーグでDH制が導入されれば、セ・リーグ各球団の選手構成も変わってくるでしょうし、戦い方に大きく変わってくるでしょう。

それよりも、影響が大きいのは高校野球でしょう。現在、世界の主な野球リーグや国際大会はプロ・アマ関係なしにほとんどがDH制となっています。ルールではDHなしで試合に臨むことができますが、とはいっても野球は点取りゲームですから、打撃力重視の選手起用になっていくことになるのではないでしょうか。となると、「エースで四番」という選手はより貴重な存在になっていくかもしれません。

また、MLBでは2020年シーズンからワンポイントリリーフ(特定のバッターのみを打ち取る目的でリリーフピッチャーを起用する戦術)を禁止しています。NPBでは、まだ禁止には至っていないものの検討は続けられています。

MLBでは2023年から「極端な守備シフトの規制」が導入されることが決まっており、ほかにも、「ピッチクロック(ピッチャーがキャッチャーからボールを受け取ってから、投げるまでの時間制限)」「ベース大型化(選手同士の衝突による故障防止などを目的)」が検討されます。

100年後の野球はどうなっているのでしょうね。

本日も私のブログを読んでいただき、ありがとうございます。

今日はどのような一日になるのでしょうか。または、どのような一日を過ごされたのでしょうか。

その一日でほんの少しでも楽しいことがあれば、それを記憶にとどめるように努力しませんか。そして、それをあとで想いだすと、その日が明るくなる、それが元気の源になってくれるでしょう。

それを見つけるために、楽しいこと探しをしてみてください。昨日よりも、ほんの少しでも、いい一日でありますようにと、お祈りいたしております。

また、明日、ここで、お会いしましょう。

コメント一覧

まっくろくろすけ
eco坊主さん、こんばんは。

コメントありがとうございます。

DH制の導入は、我が中日ドラゴンズの戦力を低下させようという狙いですかもしれません。なぜならば、今シーズンの投手陣の打撃成績は打率.257、ホームラン1本、6打点と、某関東のファーストを守る選手よりも打率は上回っていますからね。

でも、選択肢は増えた方がいいですしからね。
eco坊主
おはようございます。

MLBのルール改正は必ずNPBに影響しますからね~
DH制の導入は遅かれ早かれでしょうね。
(兎の日本シリーズ進出は確定していますが結果とは無関係に!)
人夫々ですが野球(baseballではなく)の醍醐味の薄れる改正は御免蒙りたいものですが、選手の安全面を考えた改正はどんどんやって欲しいと思います。
それが野球小僧たちの拡大につながると思います。
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