漫才日本一を決定する「M-1グランプリ」が先日テレビ朝日系で放送されました。この番組は放送されると、なんとなく年末を感じるようになります。
今年の出演も和牛、ジャルジャルなど昨年上位の存在に、マチカルラブリー、さや香など新しい顔ぶれもありましたが、結成15年目、挑戦11回目のとろサーモン(よしもとクリエイティブ・エージェンシー所属)が優勝しました。
ファイナルはジャルジャル、かまいたち、カミナリ、マヂカルラブリー、ミキ、さや香、とろサーモン、和牛、ゆにばーす、敗者復活戦から勝ち上がったスーパーマラドーナの10組が出場し、ファーストラウンドで高得点を挙げた3組の和牛(653点)、ミキ(650点)、とろサーモン(645点)がファイナルラウンドに駒を進め、ファイナルラウンドの投票でとろサーモンが4票、和牛が3票という僅差で王者が決まりました。
このM-1は「日本一の漫才師を決める大会」として2001年にスタートし、2010年の第10回開催で一旦終了しましたが、一昨年5年ぶりに復活しました。司会はお笑いタレントの今田耕司さんと女優の上戸彩さんが担当し、今年の審査員はオール巨人さん、松本人志さん、上沼恵美子さん、中川家・礼二さん、博多大吉さん、春風亭小朝さん、渡辺正行さんの7人が務めました。
一部に「吉本漫才選手権」じゃないかという声は多いく、今回の決勝進出9組(敗者復活のぞく)の中で、グレープカンパニー所属のカミナリ以外はすべてよしもとクリエイティブ・エージェンシー所属です。審査員にも吉本所属の方が多いですから。でも、吉本はコンビの数も桁違いに多く、確率的にこうなるのは仕方がないと言えば、仕方がないでしょうし、漫才が生まれて、育ってきた経緯を考えても仕方がないことでしょう。
私は野球とともに漫才・落語が好きでして、NHKラジオ「上方演芸会」やをよく見聞きしていました。1970年代の中田ダイマル・ラケットさん、かしまし娘さん、夢路いとし・喜味こいしさん、タイヘイトリオさん、中田カウス・ボタンさん、コメディNo.1さん、レツゴー三匹さん、海原千里・万里さん、鳳啓助・京唄子さん、人生幸朗・生恵幸子さん、内海桂子・好江さん、獅子てんや・瀬戸わんやさん、Wけんじさん、青空球児・好児さん、昭和のいる・こいるさん、星セント・ルイスさん、などをよく聞いていました。
その後、1980年に「花王名人劇場」「THE MANZAI」から漫才ブームが起こり、横山やすし・西川きよしさん、B&Bさん、今いくよ・くるよさん、ザ・ぼんちさん、ツービートさん、太平サブロー・シローさん、島田紳助・松本竜介さん、西川のりお・上方よしおさん、オール阪神・巨人さんなどの中堅や若手漫才師が人気を集めました。
そんなことで、どちらかというとオーソドックスな「しゃべくり(=会話)漫才」をBGMにして生きてきた人間で、やっぱりこの漫才の方が漫才としてはしっくりときます。私が良く聞く漫才コンビでは中川家さん、ますだおかださん、ナイツさん、博多華丸・大吉さん、オードリーさん、NONSTYLEさん、ハライチさんなどです。
最近はコント漫才として、コントネタを漫才に置き換えて演じていることがあります。逆にしゃべくり漫才のネタをコント漫才として流用する場合もあります。タカアンドトシさん、フットボールアワーさん、トータルテンボスさん、サンドウィッチマンさん、麒麟さんなどです。これはこれで今の時代に合ったものでしょうし、時代が求めているものだろうとも思います。
漫才の「M-1グランプリ」同様、2008年から始まったコント日本一を決める大会で「キングオブコント」が同じようにテレビで放送されました。厳密には漫才とコントを分けるのは難しいと思いますが、どっちつかずになり、同じようなネタで飽きられてしまわれないように願いたいものです。
■M-1グランプリ 優勝者一覧
2001年度 中川家
2002年度 ますだおかだ
2003年度 フットボールアワー
2004年度 アンタッチャブル
2005年度 ブラックマヨネーズ
2006年度 チュートリアル
2007年度 サンドウィッチマン
2008年度 NON STYLE
2009年度 パンクブーブー
2010年度 笑い飯
2015年度 トレンディエンジェル
2016年度 銀シャリ
2017年度 とろサーモン