東京オリンピックは、ほぼほぼ無観客で開催されましたが、2021年8月10日から開催されていた第103回全国高等学校野球選手権も一般観客なしとでした。
2020年は大会は中止になり、春の選抜大会への出場校による非公式の交流試合が無観客で行われましたが、今回は出場校の関係者に限定して入場を認めましたが、今年も一般チケットの販売がなく、NHKや大阪朝日放送(ABC)から放映権料収入を得ていないため、収益の柱としてきたチケット収入が見込めませんでした。ただ、出場校の関係者からは、1人当たり1,500円の協力金を徴収していたそうです。
そこで、朝日新聞社とともに大会を主催する日本高校野球連盟(日本高野連)は「クラウドファンディング(CF)」で1億円の資金を募っていました。
ちなみに、CFとは、「クラウド(群衆)」と「ファンディング(資金調達)」をくっつけた造語で、略して「クラファン」などと呼ばれたりもします。定義としては、「不特定多数の人が通常インターネット経由で他の人々や組織に財源の提供や協力などを行うこと」を意味します。
2019年の第101回大会では、約6億5900万円の収入があり、ここから出場校への経費補助、大会開催費用、地方大会費用補助、本部運営費などを支出し、余剰金は約1~2億円となるそうですが、今年はさらにPCR検査やベンチの消毒など新型コロナの感染対策に多額の費用が掛かり、CFの実施に踏み切ったとしています。
このCFでは、最低金額3000円から最高金額50万円までの支援プランが用意されており、募集終了日は2021年8月31日でした。返礼品として「お礼の手紙」を贈り、CFサイト「A-port」に支援者名を記載し、さらに「寄付金受領証明書」も発行するそうです。
ところが、これが大苦戦。残り時間約3時間となった8月31日の午後8時時点で支援者が1619人、集まった金額が13,817,884円、達成率13%です。
外野席が有料化になり、内野席などが値上げしたにも関わらず、近年、80~90万人近くの入場者を全国から集まる熱心な高校野球ファンがいるのですが。
低調な要因として、直前のオリンピックに関心が集まり、そもそもの認知度が広がっていない可能性もありますが、すでに全国大会よりも1ヶ月前に大会が終了している長野県大会においても、長野県高等学校野球連盟が目標金額300万円でCFを実施していますが、こちらも苦戦しました。
CFでは以前から、成功するプロジェクトのパターンとして「公開初日に10%を集める」「“友人・知人”、“友人・知人の友達”“見ず知らずの人たち”からそれぞれ3分の1ずつを集める“3分の1の法則”」などが指摘されており、初動が重要とされています。状況が違うため、簡単な比較はできませんが、私が昨年にマスク不足の中で夏用マスクへのCFへ支援した際には、募集直後にも関わらず、目標金額をはるかに超えていたものもあったりします。
さて、この手のものにおいては、「資金の使用用途」が不明なことがあったりするのですが、次のように発表されています。
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資金の使途について
いただいたご支援は、決済手数料などの必要経費を除き、下記の用途で使わせていただきます。
●第103回全国高等学校野球選手権大会の運営費用
●都道府県高等学校野球連盟の運営支援
朝日新聞社はこのクラウドファンディングでは、外部業者に支払う決済手数料やお礼状・寄付証明書の発送などの実費相当分以外は受け取りません。目標額を上回るご支援をいただいた場合も、すべて高校野球のために使わせていただきます。
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いっそのこと、支援金額に応じて「甲子園の土」を返礼品にすれば、もっと支援金が集まったかもしれませんが、地方大会の場合は、「決勝球場の土」で支援を集められるかどうかは?です。
さてさて、2018年の第100回全国高等学校野球選手権記念大会の第8日第3試合(8月13日)。石川・星稜高と対戦した愛媛・済美高は、6点差を8回に逆転。9回に追いつかれましたが、タイブレークとなった延長13回に2点差を跳ね返して、春夏つうじて甲子園大会史上初となる逆転サヨナラ満塁ホームランでベスト16進出を決めた球史に残る試合がありました。
このCFは、どうやら「奇跡の逆転サヨナラ満塁ホームラン」とはならなかったようです。
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